私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

段ボールでベーコンを手作りする

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2009年12月14日に掲載した記事の転載です。

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たまーに自分でベーコンを作ることがある。ベーコンの手作りというと、なんだかとても大変な作業で、特殊な道具もいろいろ必要というイメージがあるかもしれない。しかし、実際にやってみると、面倒くさいことは間違いないが、やり方次第では(ちゃんと作ろうとしなければ、ともいう)身近な道具で割と簡単にできるのである。

私のベーコンの作り方

ベーコン作りの第一歩は、肉の塊を買ってくること。基本は豚バラ肉だけれど、今日は初めての経験として豚肩ロースと豚タンも用意してみた。

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豚バラ肉。今回はこの大きさが二本。半分くらいがラードだな。

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試しに豚肩ロースを買ってみたのだが、ロースはベーコンじゃなくてハムか。

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豚タンスモークっていうツマミが好きなので、ついでに手作りしてみます。

用意した肉塊に、塩などをたっぷりと塗りこむ。分量は人それぞれだと思うが、私が作るときの基本は、肉の重さの2.5%の塩と、その半分の砂糖が基本。さらに家にある適当なスパイス(今回は胡椒、タイム、月桂樹、ローズマリー)、プランターに生えているバジルとパセリなども適当にちぎって入れる。

ソミュール液っていう液体に漬ける方法もあるみたいだが、私はこの方法しか知らないので、そのあたりは聞かないでください。

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正しい分量はわかりません。好きなものを入れればいいと思います。

これを肉に塗りたくって揉みまくって、密閉できるビニール袋に入れて冷蔵庫へ。このとき、なるべく空気を抜いたほうがいいのだろうけれど、そういう作業はとてもヘタだ。真空バックにする機械が欲しい。

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精一杯がんばったけれど、やっぱり空気が抜けきっていないな。

これを冷蔵庫で一週間、毎日上下をひっくり返して塩漬けにする。そう、ベーコンの仕込みは簡単なのだが、時間がけっこうかかるのである。

塩抜きをして干す

塩漬けにした肉塊をとりだして、水を張った家で一番大きな鍋で三時間ほど塩抜きをする。もし肉がやばい匂いを発していたら潔く諦めよう。塩漬けの時間も塩抜きの時間も好みでどうぞ。私の場合、これらの時間調整は味の好みというよりも、「思い出したタイミング」である場合が多い。

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肉の旨みが抜け出ちゃいそうですが、これをやらないとものすごいしょっぱいです。

好きなだけ塩抜きをしたら、水気をよく拭いて、魚干し網などに入れて一晩風の当たるところで陰干し。夏場だったらキッチンペーパーを巻いて冷蔵庫へ。

このとき、入れた肉が重すぎて、三段になっている魚干し網の仕切りを支えている糸が切れた。一番上の段にすべての肉を乗せてはいけない。写真は撮り忘れた。

スモーカーは段ボールで作る

一週間の塩漬けと三時間の塩抜きと一晩の陰干しを経て、ようやく燻製作業のスタートである。それにしても、塩に漬けたと思ったら塩を抜いて、水浸しにしたと思ったら干してと、なんだか意味があるんだかないんだかな作業工程だ。

さて燻製をするためのスモーカー(相撲取りの車ではない)だが、これは適当な段ボールを底がない状態で組み立てて、下の方の内側にアルミホイルを張ったら出来上がり。子供のころ、これとほぼ同じ「宇宙基地」を作った覚えがあるな。アルミホイルって宇宙っぽいよね。

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アルミホイルを張ってある方が下になる。

この下に熱源と煙の元を置いて、段ボールの中を煙モクモク状態で70~90度前後を数時間保てばいいのだが、今回はスモークウッドというオガクズを固めた太い線香みたいなものを使用。ただ、これだけだと熱が足りなかったので、七輪で炭を熾しておいて、炭火を足して温度を調節した。

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左側のレンガみたいのがスモークウッド。初めて使ったけれどかなり便利。

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途中でスモークウッドが燃え尽きたため、急遽卓上七輪とスモークチップという組み合わせに変更。

このスモーカー内の熱源と煙をキープする方法を考え、実行するところが、燻製作りの中でもっとも面倒臭く、そして一番おもしろいところなのだと思う。今回はいろいろと面倒な方法を試してみたが、火のついたスモークウッドに段ボールをすっぽりかぶせるだけでも、まあ大丈夫だと思う。

もちろん燻製というくらいだから煙が出るので、周囲で洗濯物を干しているような場所だと怒られるので、そこは必ず気をつけたい。もし自宅でやって、隣の家の洗濯物に匂いをつけてしまったら、近所からまさに煙たがられてしまうだろう。おお、うまいこといった。

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温度チェックは温度計を突っ込んでおくのが一番簡単。

ちなみに肉のぶら下げ方は、段ボールの幅より長いバーベキュー用の串を用意しておいて、まず段ボールの上の方に外側から刺し、段ボールの中で肉を刺し貫いてぶら下げ、そのまま串の先を段ボールの外まで出すという方法である。この方法を思いついた時、「俺って天才!」って本気で思ったので、ここで発表できて幸せに思う。

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火のそばから離れないようにして、炭の量で温度調節をしながら燻す。

手作りベーコンの完成

持ち込んだ週刊誌やら漫画本やらを読みながら、温度計が70度を下回ったら炭を足して、90度を超えたら蓋を開けて熱気を逃がし、煙が出なくなったらスモークチップを足して、なんていうのを延々4時間ほどやって、ようやくベーコンの完成である。

ベーコン作りの作業自体は難しくないけれど、やっぱりかなり面倒臭いなと、やり終えるたびに思う訳である。まあどの作業工程もおもしろいんだけどね。

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このうまそうな色艶。

ベーコンは作ったその日に食べると、ちょっと煙の味がきつい感じがするので、翌日以降が食べ頃となる。

ということで翌日、一日寝かせたマイベーコン、とてもかわいい。...でもさすがに作りすぎたな。どんな量を作っても大変さが大して変わらないので、いつもつい多く作っちゃうんだよね。

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全部で何キロカロリーくらいあるのだろう。

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豚バラ肉。燻す温度が低かったか時間が短かったか、ちょっと生っぽくなってしまった。どうせ火を通して食べるからいいんだけどね。

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豚肩ロース。こちらも半生。生ハムみたいでうまそうだ。脂が少なくてヘルシー。

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豚タン。売っている豚タンスモークとそっくりになってうれしい。

手作りベーコンはうまいのである

時間をかけて作ったベーコンで、とりあえずシンプルなパスタを作ってみた。オリーブオイルでニンニクと鷹の爪とベーコンを塩胡椒で炒めて、そこに茹でたパスタを入れただけ。ベーコンを作るたびに毎回作る料理だけれど、これは毎回うまい。いままでの苦労が報われる瞬間である。

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ベーコンの脂が絡んだ麺がうまいんだ。

手作りのベーコンは、スーパーなどで売っているベーコンとは別のものだと考えた方がいい。あれはあれでおいしいけれど、このスモーキーな感じは、市販品ではなかなか得られない味なのである。でもやっぱり面倒臭いよ。

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初めて作った豚タンスモークも、イメージ通りの味でうれしい。

 

 

 

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