私的標本

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

草を摘んで七草粥を作ってみる

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2010年1月8日に掲載した記事の転載です。

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セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草。この七草を全種類自力で集めて、1月7日の朝におかゆに入れて食べれば、どんな願い事も叶うという。というのは、うちの子供がもう少し大きくなったら教えようと思っているウソである。そんな話はいいとして、今年一年の無病息災を祈って、七草を探しに行ってみた。

実家の近くで探します

七草を探しにやってきたのは、正月休みに帰省していた埼玉にある実家近くの田んぼ道。まあ帰省といっても自宅から車で10分くらいの距離だけど。草を探すにも土地勘があったほうがいいだろうということで、子供のころによく遊んだ場所にきてみたのだ。

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ほぼ枯れ草だけれど、七草なんて集まるのかな。

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今日のために「食べごろ摘み草図鑑」という本を購入。摘み草っていい言葉だね。

食べごろ 摘み草図鑑 採取時期・採取部位・調理方法がわかる

食べごろ 摘み草図鑑 採取時期・採取部位・調理方法がわかる

 

この辺りは通っていた小学校からも近く、飼育委員をやっていた私は、学校で飼っていたウサギやニワトリの餌用に新鮮な草を集めたりしたものだ。それから20年以上が経ち、またここで草を集めることになるとは思わなかった。しかも今度は自分で食べるためにだ。

まずはセリを発見

最初に探したのは、七草を覚えている順番通りにセリ。セリについては自分で探せる気がしなかったので、母親に生えている場所をあらかじめ聞いておいたので難なく発見。この時期のセリはまだまだ小さく、また生えている場所も水辺の限られた場所だったので、場所を聞いておいてよかった。

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母親に教えられた休耕田でセリを発見。

ちなみにセリが見つからなかったら、プランターで育てているパセリでごまかそうと思っていた。

ナズナも人に聞いて発見

次はナズナ。ペンペン草とも呼ばれるなじみの深い草なので、図鑑で確認しなくても簡単に見つけられた。でもちょっと育ちすぎているような。

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茎とか固くて歯に挟まりそうだ。

お粥に入れるにはもっと瑞々しいのがいいなと思って探すと、いい感じの株を発見。

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これなんてどうでしょう。

でもちょっと葉っぱや種の形が違うかなと思って図鑑で一応確認したら、これは(たぶん)タネツケバナという草だった。これもおいしいらしいので、七草ではないけれど、少しキープさせていただく。

さて若いナズナはどこだろうと探していたら、なんと私と同じく七草を探しているご夫婦に声をかけていただいた。まだセリしか見つかっていないと正直に話したところ、10秒くらいで若い食べごろのナズナを見つけていただいた。おお、プロだ。

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摘み草をする人って、けっこういるんですね。

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そうそう、こういう感じのナズナを探していたのです。本当はタンポポと区別がつかなくて見逃していたんだけど。

ゴギョウも教えてもらった

次の狙いはゴギョウ。ゴギョウっていうのが図鑑に載っていなかったのでどんな草なのかわかっていなかったので、これもご夫婦に教えてもらった。ゴギョウは葉に片栗粉をまぶしたような小さい草で、図鑑ではハハコグサという名前に出ていたので、教えてもらわなかったら絶対見つけられなかっただろう。

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日当たりのいい乾いた場所で発見。

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なるほど確かに。事前にちゃんと七草を調べてからくればよかった。

ハコベラは自力でゲット

ここでご夫婦とは別れて、また自力での草探し。次のお題はハコベラなのだが、これはウサギやチャボの大好物だったハコベのことなので、難なく見つけることができた。

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ハコベくらいなら自力でみつけられます。

ホトケノザにご用心

さて次はホトケノザなのだが、ホトケノザという草は紫色の特徴的な花を咲かせているのですぐに見つかる。

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これがホトケノザという草。

しかし、この草は食用に向いていない。七草でいうホトケノザとは、
コオニタビラコというオオニタアツシみたいな名前のキク科の草のことなのだ。という知識だけは昔に本で読んで知っていたのでセーフ。問題は、コオニタビラコとやらが見つからないことだ。

ここは新年だし、がんばって意地でも探したいところだが、摘み草の前にいった初詣が長引いてしまって、すでにだんだんと日が暮れてきている。コオニタビラコは図鑑でみると、タンポポによく似た草だったので、ここはタンポポで我慢することにする。

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今年初の妥協。いや臨機応変といってほしい。

スズナ、スズシロは、代用品で

さて次はスズナにスズシロ。これはカブとダイコンなので、土手やあぜ道ではなく、畑に生えているものだ。八百屋にでもいけば簡単に手に入るけれど、それをしてしまうとおもしろくないので、ホトケノザと同じく代わりになる草を探すことにする。

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余所様の家庭菜園でスズシロを発見。この葉っぱが欲しいけれど、我慢我慢。

図鑑というのは便利なもので、調べてみるといままで雑草だと思っていた草が、たいてい食べられることになっている。スズナ、スズシロは手に入らないけれど、手に入る草で自分で食べるための七草粥を作っても問題はない。どうせホトケノザもタンポポだし、オリジナル七草ということで適当に摘んでいこう。

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ヨモギ。草もちなんかに使われますね。作ったことないけど。

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ミツバ。ではなくて、三つ葉のクローバー。シロツメグサというそうです。

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ギシギシ。よく見る草だけど、名前は初めて知った。

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オオバコ。よく引っ張りっこをして遊んだ草。この季節はまずそうだ。

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これはヨメナっぽいけれど、確信が持てないのでパス。

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カラスノエンドウ。実が本物の野菜っぽいんだよな。でも今日食べるのは葉っぱ。

これだけあれば、スズナやスズシロがなくても、ホトケノザがタンポポでも、ご利益に変わりはないと信じましょう。イワシの頭も信心からっていうしね。

オリジナル七草粥を作る

子供のころに遊んだ場所で集めてきた草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、タンポポ、タネツケバナ、ヨモギ、シロツメグサ、ギシギシ、オオバコ、カラスノエンドウの全十一草。そのうち七草のオリジナルメンバーが四種類。手に入らなかった三種類を補うために集めたのが七種類。

なんだかモーニング娘。のメンバーチェンジを思わせる拡大展開である。もうちょっと頑張ったら十六草になって、十六茶みたいになるところだった。

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採取場所が犬の散歩道だったりするので、気合を入れて洗います。

摘んできた草をよく洗い、おいしそうな所だけ選んでみじん切りにして土鍋で炊いたおかゆの中に入れる。材料集めは大変だけれど、料理自体は簡単だ。

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米一合と水900cc。最初中火で沸騰したら弱火で30分。仕上げに十一草と塩をひとツマミ。

できあがったオリジナル七草粥というか十一草粥は、まあ白粥にちょっと苦味のアクセントが加わったくらいの味だけれど、年末年始の偏った食生活で疲れた体にはうれしい味だ。病気になるとお粥を食べるというのがよくわかる。

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味の面からいうと、七草をそろえる必要は別にないと思う。

ちゃんとした七草を揃えようとすると、ちょっと大変だけれど、食べられる草を七種類探すという考えであれば、図鑑を持って近所を散歩するくらいで、すぐに見つかると思う。七草が五草や三草になっても、お粥の味は大して変わらないし。

ただ、食べられない草と間違えるといけないので、できれば図鑑を何冊か揃えておいて、様々な角度や成長具合の写真と見比べて、個体差に惑わされないように同定したい。迷ったら食べない方向で。なんて惑わされまくった私がいうのもあれですが。

身近な食べられるものを探すというのは楽しいし、年末年始明けの疲れた体にお粥はうれしい。自分だけの七草粥、けっこうおすすめです。

 

 

 

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