私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

摘んできた東京湾の海苔を食べる

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先日、某Y港で海苔を摘んできたので、それを食べた話を書きましょう。前にデイリーポータルZで書いたのと大体一緒だけど、10年振りでうまかったよ。

▼採ってきた話はこちら▼

blog.hyouhon.com

海苔の下ごしらえ

これが摘んできた海苔。ホワイトバランスおかしいね。

量としてはそんなに多くないように思えるでしょう。

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水に漬けるとね、ふえる海苔ちゃんなんだな。

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そういえば先輩が真水じゃなくて、海水よりちょっと薄いくらいの塩水で処理すると、塩っけがあってうまい海苔になるといっていたので、今回は真水で一回よく洗った後、2.5~3パーセントくらいの塩水で処理してます。

テトラ海苔は採る時に砂やら謎の生物やらを一緒に採ってしまうので、これをよーく揉み洗いするのが大切。何か不純物がいろいろ出てくるんだわ。

ちっこい貝とか。

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謎の生物とか。拡大自粛。

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こういうのは目視でとりきれる訳がないんだけど、まあそれでもとらないよりはいいかなと。アサリみたいにジャリっという海苔で恐縮です。

塩水の中に浮いている海苔を手でつかみ、一応のチェックをしながらザルへポイポイ入れていく。

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これをギュッと握って水気を切って、別のザルにバチンバチンと味噌作りの要領で投げ入れていく。ちなみに味噌はまだ作ったことがないんだけどね。

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すぐに食べない分は、この状態でフリーザーバッグなどで冷凍へ。どのくらい持つのかは謎だけど、そこそこ持つんじゃないでしょうか。

板海苔を作る

海苔といえば板海苔。ちょっと面倒だけど、せっかくなので作りましょうか。

よく洗って水気を切った海苔を、包丁でザクザクザクと切り刻む。これをしないと板状にするときにムラができまくる。

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こうしてみると、結構な量のアオサが混ざっているな。でもそれがうまいんだよね。

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これを塩水と混ぜて、ドロドロの状態に。

ちょっと刻みが甘かったかな。10年振りなので勝手がわからないな。

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さて海苔づくりには、海苔巻きを作るときに使う『巻き簾』と、枠となるものが必要になる。この枠、前回は確かざるそば用の竹製のやつを買ってきて、底を抜いて使ったような覚えがあるのだが、さすがに捨ててしまっていたよ(巻き簾はアンキモ作りとカニも使うので残っていた)。

さてどうしよう。買いに行くのも面倒だ。というかこの時期に売っているのか。

しばらく迷った結果、別に力の掛かるパーツではないので枠の形になっていればいいだろうと、割り箸をセロテープで四角形に接続してみることにした。

あ、これでいいんじゃね?

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巻き簾の下は、皿やら容器やらを組んで、浮くようにしている。

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このお手製海苔製造機の中に、ドロドロの塩水海苔を流し込み、なるべく平らになるよ

うに成型する。

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やっぱり刻みが足りなかった気もするが、まあ許容範囲だろう。割り箸の枠、ぜんぜんいけるな。

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それにしても海苔が分厚い。市販品の何倍だろうか。やっぱりもっと細かく刻んで、うすーく作るのが正解なんだろうな。

とかいいつつ、この厚さだからこそ、手作りならではの磯臭さが期待できるんだよね。

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海苔を天日干しする

成型した海苔を、ベランダで天日干し。ただでさえこの時期の日照時間は短いのに、この日(海苔摘みの翌日)は寝坊したため、すでに太陽が高い。

なるべく太陽が直角にあたるように、がんばって海苔を並べる。

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いやもっと垂直に近い角度が必要だと、巻き簾を水の入ったコップで押さえて角度をアップ。これで風を受ける力も強くなるはず。

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でもやっぱり1日では乾ききらず、夕方にしまって翌朝またベランダへ。

そしてどうにか乾いたのがコチラでございます。

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そうそう、海苔って乾くと丸くなるんだよね。だから本職は巻き簾を張り付けて干すんだよな、確か。

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不格好の穴あき海苔だけど、磯臭さならだどんな海苔にも負けないぜ。

ということで、板海苔の完成!

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これをオーブントースターで炙って、家系風ラーメンでいただいたのだが、この話は長くなるので別のブログでそのうち。塩水で処理して正解。うまかったー!

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生海苔を使った料理いろいろ

板海苔で使った海苔は半分程度。他は刻まずに残しておいて、ちゃんと料理しましたよ。

やっぱりY港の海苔は厚すぎるかな。10年前の海苔がレタスだとすると、今回はケールくらいにしっかりしている。でもまあそれはそれを長所と捉えて料理すればいいんだよ、きっと。

生海苔のパスタ

まずは定番ともいえるパスタから。麺はやっぱり自家製麺ではなく、北海道味わいパスタというやつ。モチモチでうまいと聞いたので。国産小麦のゆめちから使用だぜ。

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麺を茹でている間に、たっぷりのオリーブオイルにニンニクと唐辛子を入れてゆっくりと加熱。

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そこに茹であがった麺を入れて、さらに生海苔をドーン。

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これを絡める。生海苔って生ワカメみたいに、加熱しても色が劇的に変わるというのがないので、ちょっと物足りない。でもフワッと磯の香りがしてきたよ。

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海苔の塩分がそこそこあるので、味付けはちょこっと塩と醤油を加えるくらいで十分。

ザックザクの育ちきった海苔がうまい。もっと海苔が多くてもよかったか。海苔は多少刻んだ方が、麺とのからみはいいかもね。

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海苔の酢の物

続いては酢の物。生でもいいんだろうけれど、サッと湯通しをして水で洗い、よく水気を切ったところにポン酢を掛けてみた。

茹でて鮮やかな緑になるのはアオサ。なんだかアオサがやたら多い部分をえらんでしまったっぽい。

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加熱すると、海苔に混ざっていたハマトビムシ的なやつが、赤くなって出現するのは海苔摘みアルアルですな。あるよね!

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ちょこっとショウガを添えてみました。これもザクザクだけど、やっぱりうまい。

でも茹でちゃうと磯の香りが薄いかなー。でも生はどうなんだろうねー。

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海苔の佃煮

海苔といえばごはんですよ的な佃煮ですよね。あれの材料をみて再現しようと思ったけど、『タマリンド』が入っているらしく、なんだよそれってなって諦めた覚えがあるな。ということで、手ごろな材料だけで作ります。

生海苔、醤油、酒、砂糖、以上。分量は適当!

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あまり煮詰めるのもなーということで、適当なところで水切りして終了。

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はい、うまそう!

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これをご飯に乗せて、先輩にいただいた七味唐辛子をオン!

やばいね、無限にご飯が食べられるやつだこれ。

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二杯目はトッピングを変えて、ワサビで。

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そこにお茶を掛けてみました。

海苔山葵茶漬け

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生海苔の味噌汁

味噌汁に入れてももちろんうまいっす。ちょこっと刻んだ海苔を、味噌汁の仕上げに加えるだけ。なんだかアサリの味噌汁に通じる潮の味が最高。たまにジャリっというのもアサリ風。

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生海苔の天麩羅

いろいろな海苔料理を紹介してきましたが、個人的にパーソナルベストを記録した料理は、生海苔の天麩羅でした。

これは刻んでない生海苔を天麩羅粉と混ぜて、サクッとあげただけのもの。生海苔の天麩羅、あるいは生海苔のかき揚げですかね。

揚げることで生海苔の存在感はそこそこ消えて、うっすらとした磯臭さだけが残るんだけど、それがサックサクの衣と最高に合うんですよ。実体のない感じが最高。これは普段から板海苔を天麩羅にしている私だから好きなだけなのかもしれないけど。天つゆをジャブジャブ漬けて食べよう。

色も鮮やかだし、他では食べられないので、もし機会があればぜひという感じです。ちなみに添えてあるのは生牡蠣(これは買ってきた)の天麩羅。この二つの磯臭さのせめぎ合いが最高!

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ということで、生海苔はやっぱり美味しかったです!

でもやっぱり10年前に食べたやつと、ちょっと違うかなーという気もするなー(伏線)。

 

 

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