私的標本

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

塩ヨーグルトと塩麹を比べてみた

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2013年1月11日に掲載した記事の転載です。

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昨年は塩麹が大きなブームとなったが、最近では塩ヨーグルトという新しい波が来ているらしい。この二つの塩系調味料を、同じ料理法で味比べしてみてみた。

塩ヨーグルトの作り方

まず塩ヨーグルトとはなんなのかという話なのだが、要するに塩を入れたプレーンヨーグルトである。それ以上でも以下でもない。

塩麹のように熟成や発酵をさせる手間もなく、作ってすぐに使える便利な万能調味料だ。ちなみに塩麹の作り方についてはこちらをご覧ください。

blog.hyouhon.comヨーグルトに加える塩分の量だが、糠床のように野菜を漬ける場合は、ヨーグルト100グラムに対して、塩5グラム。肉や魚に揉みこんで使う場合は、ヨーグルト100グラムに対して、塩2.5グラムというところが基本らしい。

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プレーンヨーグルトに塩を入れるだけで出来上がり。それが塩ヨーグルト。

ヨーグルトに砂糖ではなく塩を入れるというのは、我が人生初の試みである。なんだか新鮮な気分だ。

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塩を入れただけなので、見た目は特に変わらない。

この塩を入れただけの状態でちょっと味見をしてみたのだが、これがすでにおいしくて驚いた。

今までヨーグルトは甘くして食べるものという既成概念にとらわれていたのだが、塩味のヨーグルトはアリだ。

さすがにこのまま食べるのにはちょっと塩辛いので、塩分を1~2%に抑えて、そこに胡椒をちょっと振ってやれば、酸味の効いた冷製スープと言い切れるくらいのうまさがある。

なるほど、これで野菜や肉を漬けるわけだから、おいしくなるのは道理なのかもしれない。

塩ヨーグルトの浅漬け

まず最初に作るのは、野菜を使った塩ヨーグルトの浅漬けである。適当な大きさに切った野菜を、ヨーグルト100グラムに対して塩5グラムを加えた塩ヨーグルトとよく混ぜるだけの、簡単な料理だ。

今回使った野菜は、ダイコン、ニンジン、セロリ。糠床と違って、思い立ったその時にすぐ作れるのが、塩ヨーグルト漬けの最大のメリットだろう。

まずはこのシンプルなレシピで、塩ヨーグルトとやらの実力と方向性を試してみたいと思う。

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漬けこむときにビニール袋を使うと、塩ヨーグルトの量が少なくてすむ。

翌日、冷蔵庫から取り出した野菜の塩ヨーグルト漬けは、だいぶ野菜から水分が出ており、ヨーグルトがかなり薄まっていた。ちょっと塩ヨーグルトの量が少なすぎたか。果たして、これでちゃんと漬かっているのだろうか。

軽く絞った野菜をお皿に乗せたら、塩ヨーグルトの浅漬けの出来上がりである。

この野菜から出た水分で薄くなった塩ヨーグルトは、捨てるのがもったいないので味噌汁に入れて飲んだらうまかった。

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塩ヨーグルトの浅漬け、白いね。

さて塩ヨーグルトの浅漬けの味だが、野菜から程よく水分が抜けており、ちゃんと浅漬けになっている。人参のような堅くて味の濃い野菜に対してはちょっと弱いが、セロリやダイコンとは相性がいいかな。

糠漬けや普通の浅漬けに比べて、味がだいぶまろやかなので、これならいくらでも食べられそうだ。和風のピクルス、あるいは洋風の浅漬けといった感じで、どんな料理の箸休めにもなりそうな感じ。

今回はヨーグルトと塩だけでシンプルに作ったので、うまみや香りがちょっと弱いけれど(これはこれでシンプルで飽きのこない味なのだが)、細かく刻んだ昆布や鰹節を加えてダシを強化したり、ハーブ類を加えて香りをプラスしてあげると、より一層おいしくなりそうだ。

牛肉、鶏肉、サバの塩ヨーグルト漬け

続いては、ヨーグルト100グラムに対して塩2.5グラムで作った塩ヨーグルトに、肉や魚を漬けこんでみたいと思う。そしてせっかくなので、同じ材料で塩麹漬けも作り、その味を比べてみようじゃないか。

どちらが一番の塩系調味料なのか、頂上決戦の始まりである。

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牛肉、鶏肉、サバを塩ヨーグルトに軽く揉みこんで冷蔵庫で一日寝かす。

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塩麹も同様に下準備をする。

漬けこんだ翌日に牛肉を取り出してみると、これが全然違う状態となっていた。今回使用した牛肉は脂のない真っ赤なモモ肉(外国産の安いやつ)だったのだが、塩ヨーグルトに漬けた肉は、元の色よりピンク色っぽくなり、そして肉質が豚ロースのように、とても柔らかくなっていた。

それに対し、塩麹に漬けた肉は、醤油にでも漬けたかのように色が濃くなり、マグロの漬けのように肉質もキュッと引き締まった感じとなった。

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右が塩ヨーグルト漬け、左が塩麹漬けの牛モモ肉。

これらを同じように水で軽く洗い流し、水分をきっちりと拭き取ってからフライパンで焼いて試食してみたのだが、塩ヨーグルト漬けはやはり柔らかく、それでいて肉の味がしっかりと引き出されていて旨味十分。胡椒を掛けただけで、とてもおいしくいただくことができた。

続いて塩麹に漬けた牛肉だが、塩麹が持つ旨味成分がとても濃い。そして肉がギュッと詰まっているのだが、決して堅いのではなく歯ごたえがいいという感じ。素材の旨味を引き出すというよりも、そこに塩麹の旨味を重ねて味を厚くしたといえるだろう。

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右が塩ヨーグルト漬け、左が塩麹漬け。元々は同じくらいの大きさだったのだが、焼くとだいぶサイズが変わる。

鶏肉とサバでも同様の検証をしたのだが、基本的には同じような結果となった。

塩ヨーグルトに漬けた鶏肉は、柔らかくソフトに仕上がっていて、塩味も滑らか。ふんわりと焼けた皮が抜群にうまい。ヨーグルトの穏やかな酸味が鶏肉と合う。ここに醤油やバルサミコ酢など、もう一味を加えれば完璧というところか。

塩麹に漬けた鶏肉は、安いブロイラーなのに地鶏のようなしっかりとした歯ごたえとなり、旨味が断然濃くなった。皮も比較的パリッとしている。ご飯のおかずにするならこっちだ。

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右が塩ヨーグルト漬け、左が塩麹漬け。見た目は似ているが、食感も味もだいぶ違う。

生のサバも一緒に漬けてグリルで焼いてみたのだが、塩ヨーグルト漬けは身が水分を失っていないけれど旨味と塩気がちょうどよくなった干物という感じ。ふんわりとした上品な焼き上がりに好感が持てる。

対して塩麹漬けは、西京漬けのようなしっかりとした染みた味と身が引き締まった食感。そしてすこし焦げやすい。これもまったく別物の味である。

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右が塩ヨーグルト漬け、左が塩麹漬け。どっちもうまい。

塩ヨーグルトと塩麹の違いについて

このように塩ヨーグルトと塩麹を同じ調理法で食べ比べてみた結果だが、塩ヨーグルトが「柔らかさの向上」と「素材が持つ旨味のアップ」という効果なのに対して、塩麹の働きは「素材の凝縮」と「さらなる旨味の追加」というところだろうか。どちらが塩系調味料として優れているかは、味の土俵が違いすぎて比べようがないのでドロー。

ざっくりいうと、素材の味をそのまま引き出したいのであれば塩ヨーグルト、素材の味にさらなる旨味を加えたいのであれば塩麹。塩分濃度がだいぶ違うので、同列に比べるのは無理があるけれど、塩ヨーグルトを使った料理はあくまで素材の味の延長線だが、塩麹は量が過ぎるとなんでも塩麹の味になってしまうともいえる。塩ヨーグルトの料理は何品並んでも飽きないが、塩麹の料理は一品だけの方が引き立つだろう。

塩ヨーグルトは塩麹を初めて食べた時のような強烈なインパクトこそないけれど、塩だけではなく、そこに味噌や醤油、あるいはカレー粉、キムチの素など、なにを入れてもおいしくなる万能調味料であるといえる。塩ヨーグルト自体がとても素直な味なので、そこにひと手間、ひと味加えることで、さらなる味が発見できそうだ。

また塩ヨーグルトを水切りをしてクリームチーズのように使ったり、オリーブオイルを加えてそのままドレッシングとして使うこともできるらしいので、引き続き、新たなる調理法を試してみたいと思う。

 

 

 

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