私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

トキまで2センチ!? 佐渡島のトキふれあいプラザにいってきた

『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2013年5月27日に掲載した記事の転載です。

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今年の3月にオープンした、佐渡島の「トキふれあいプラザ」。そのうたい文句は、まさかの「トキまで2センチ」である。あの貴重なトキを本当に2センチの距離で見られるのかを確かめてきた。

まずはトキ資料展示館でお勉強

トキを間近で見るためにやってきたのは、佐渡島にあるトキの森公園。去年の秋にも一度来ているのだが、この春に「トキふれあいプラザ」という新しい施設ができたというので、またやってきたのだ。

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「トキまで、2センチ!?」の「?」が若干気になる。

トキの見学コースは、いきなり2センチの距離からではなく、まずはトキ資料展示館の観察通路から、20メートル離れての観察となる。2センチと20メートルでは1000倍もの違いがあるが、とりあえずはこの距離からアタックだ。

このもったいぶった感じ、嫌いじゃないぜ。

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まずは2センチの1000倍の距離から。

トキ資料展示館には、その名の通りトキに関する様々な資料が展示されており、それを見てトキについて学習してから、その先にある観察通路でのご対面となる。

トキに関する歴史や生態について詳しく知ってからでないと、トキを見てもただの鳥に見えてしまうので、この順番は正しいと思う。

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こちらがトキ資料展示館。昨年に続いて2回目の訪問だ。

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入り口で待ち構えているのは、皆さんご存知のトキのゆるキャラ、サドッキー。

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日本産最後のトキであるキンとミドリの骨格標本や、トキの体重を体感できる展示など、見どころがたくさん。

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加藤登紀子さんのポスターが貼られていた。トキつながりだろうか。

20メートルの距離から観察

ここまでの学習でトキマニアになったところで、トキ資料展示館を抜けて、トキが見られる観察通路へと到着。ここであのトキ様とのご対面となる。

私は2度目の訪問なのだが、それでもやっぱりトキが見られるということでワクワクしてしまう。

しかし、やっぱり20メートルの距離は遠い。肉眼だと目の悪い人だったら、ケージの中に剥製が置かれていたり、ニワトリやサギが飼われていても、気が付かないかもしれない距離だ。とはいっても、トキが飛び立つところをうまく写真に撮れるとうれしかったりする。

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用意された望遠鏡でのぞかせていただく。

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カメラでズームイン。確かにトキだ!

これがトキふれあいプラザだ

このように最近まではトキまで20メートルの離れた距離でしか見ることができなかったのだが、この春に新設されたトキふれあいプラザでは、なんと2センチの距離だ。

2センチっていったら、ちょっと手を伸ばせば届いてしまう距離。トキと本当に触れ合えてしまう。果たしていったいどういう展示方法なのだろうと考えながら、案内に従ってトキふれあいプラザへと進んでいく。

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ここからが本番。果たして本当に2センチなのだろうか。

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あ、トキ!

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と思ったら、偽物だった!

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こちらが新設されたばかりのトキふれあいプラザ。

トキふれあいプラザには天井の高い広々としたケージが置かれており、人間が見学する通路側は暗くなっている。係員さんの話によると、この中に3羽のトキが放たれているそうだ。

この距離なら確かに肉眼でもしっかりとトキの姿を確認することができるが、2センチというのはちょっと無理がありそうだ。どんなにトキが近づいてきても、いいとこ2メートルというところだろう。

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なるほど、観察通路に比べると全然近い。中央左側に1羽いるのがわかるかな。

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巣の上に1匹。タマゴを抱いているのだろうか。

トキまで約2センチの大迫力!

トキまで2センチというのはやっぱりオーバーだったのかなと思ったらそうではなく、ちゃんと間近で見られる場所が用意されていた。

そこはマジックミラーになった観察用の窓で、トキの側からはこちらの様子が見えないようになっているらしい。そのマジックミラーの向こう側に用意された人工池がエサ場になっているので、運がよければ、トキがすぐそこまで来てくれるのだ。

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マジックミラー越しにトキを待つ。

トキが来るのをまだかまだかと待っていると、1羽のトキがゆっくりと歩いて近づいてきた!

「トキが近づいてくる」っていう言い方、なんだかかっこいいですね。「トキは来た!」みたいな(プロレスネタですみません)。

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うわ、本当にトキがきた!

そして目の前の人工池にジャプジャブと入ってきて、その自慢の長いくちばしでドジョウを捕まえて、ゴクリと丸呑みにした。

すごい、この距離でトキの自然に近い捕食行動が見られるとは思わなかった。去年はさっきの20メートルで結構感動したものだが、やはりこの距離だと感動の桁が違う。近すぎてトキの顔がおっかないけど。ゆるキャラのサドッキーとはちょっと印象が違うぜ。

濃いピンクのいわゆる「トキ色」ではないのは、春から夏にかけての繁殖期は首すじから黒い分泌物が出ていて、これを体に塗り付けるためらしい。

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あ、ドジョウを食べた!

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近い!近い!近い!

これは近い。さすがに2センチではなく20センチというところだが、それでも十分に近い距離だ。これはもう約2センチといってもいいだろう。自分の顔をマジックミラーにぺったりと近づけば、本当にトキまで2センチというのもあり得なくはなさそうだ。逆に2センチまで近づくと見づらいだろうけど。

間近で見たトキの顔は真っ赤で厳めしく、正直なところ素直にかわいいと思える顔はしていないのだが、その大きなくちばしで器用にドジョウを捕まえる姿には愛嬌を感じた。トキ、一見怖い顔だけれど付き合ったら楽しいタイプだと思うよ。

トキは本当に日本に元々いた鳥とは思えない独特な姿だが、ちょっと前までは、この姿が日本中で見られたのだ。

日本中でまた見られるようになるのは難しいと思うけれど、とりあえず佐渡島では運さえよければ、その姿を自然の中で見られるまで数が増えており、実際この翌日に私も飛んでいるトキを見ることができた。ちなみに去年に続いて2度目の自然下でのトキとの遭遇である(自慢)。

やはりケージの中のトキよりも、自由に空を飛ぶトキはかっこよく見えた。

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翌日にたまたま見かけた自然界のトキ(車中から撮影)。

 

 

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