私的標本:捕まえて食べる

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粟島観光のススメ2:海を見ながらホーストレッキングができるあわしま牧場

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2013年10月21日に掲載した記事の転載です。

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新潟県にある粟島という小さな離島に、海を眺めながらホーストレッキングができる牧場が誕生した。

粟島には昭和7年まで野生馬がいた

自転車で一周3時間の小さな離島である粟島(その模様はこちら)には、源義経が奥州へ落ち延びる途中に解き放したものだといわれている馬が昭和7年まで野生でいたそうだ。島を見て回ると、確かに野生馬がいてもおかしくないかなという島ではある。

2011年の春、粟島に再び馬がやってきて、あわしま牧場という素晴らしいロケーションでの乗馬体験ができる施設が誕生したそうだ。

あわしま牧場の場所は、粟島港から海岸線沿いに南西方面に歩いて行くとある、野馬公園の先にある。この野馬公園にも粟島で生まれたという馬が放たれているが、ここで乗馬体験をする訳ではないのでご注意を。

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野馬公園にある野生馬の銅像。

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野馬公園の馬はアイドル風のイケメンぞろい。

あわしま牧場は野馬公園を通り過ぎて、海水浴場とキャンプ場の先にあるらしいのだが、なぜか「ヒヒーン」ではなく「メー」という鳴き声が聞こえてきたなと思ったら、そこには馬ではなくてヤギがいた。しかも3匹。

あとで聞いたら、このヤギはあわしま牧場で飼育している、島の草刈り担当のヤギなのだそうだ。

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まさかのヤギ。

海沿いに誕生したあわしま牧場

海沿いの気持ちのいい道を歩いていくと、程なくしてあわしま牧場に到着。この牧場のロケーションがすごかった。

牧場というと、どうしても山の中とか高原とかにあるイメージなのだが、この牧場は海に面しているのである。

平地が海岸線にしかない島独特の地形によるものだろうが、海外の映画のワンシーンみたいで驚いた。

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日本にこんな場所があったのか、くらいの驚き。

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好奇心旺盛な仔馬。

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体の大きなサラブレッドもいる。奥にフェリーが写っているがレア。

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建ったばかりのきれいな厩舎。

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本当に海が近いんですよ。

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馬、かっこいい。

馬に乗って海を眺めるという体験

この牧場に勤務されている加藤さんに話を聞いたところ、村による「粟島馬復活プロジェクト」事業によって2011年にオープンしたばかりのこのあわしま牧場は、粟島観光の新しい目玉であると同時に、馬の力をかりた学習を提供するための場所なのだという。

この牧場の馬はどの馬もとても穏やかな顔をしているように見えたのは、毎日の世話によって、人間との信頼関係がしっかりとできているからだそうだ。体の不自由な人にホースセラピーとしても使われている馬なのだとか。

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お話を伺った加藤さん。

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人懐っこい看板犬もいる。

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バランス感覚を鍛えるためのトランポリンもあるよ。

ここまできて馬に乗らなかったらもったいないので、さっそく私も乗馬体験をしてみることにした。私が試したコースは牧場内の角馬場を曳き馬で一周するという一番簡単なものだったが、馬に乗った高い視線から海を眺めるのが、本当に気持ちよかった。

まったく馬に乗ったことがない人でも、曳き馬で砂浜までいけるコースも用意されており、今頃になって、なんでそのコースを選ばなかったのかと激しく後悔をしている。馬に乗って海辺を歩いてみたかった。

また馬に乗るだけではなく、馬のことをよく知ったり、この島の文化を知ることができるプログラムもあるそうだ。

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牧場長の田中さん。

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海を見ながらの曳き馬体験に興奮。

そして何度かこの牧場に通ってステップを踏んでいけば、なんと馬で一周回るホーストレッキングに参加することもできるのである。

自転車で一周するだけであれだけ楽しかったのだから、これが馬だったらどれだけ楽しいのだろうと、想像しただけでも興奮してしまう。ヒヒン。

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あわしま牧場facebookより、ホーストレッキングの様子。これは絶対楽しそうだ。

小・中学生を対象とした粟島しおかぜ留学

加藤さんからの話にあったように、あわしま牧場はこういった観光客向けのプログラムだけではなく、馬の力を借りた子供たちの学習の場でもある。今年から「粟島しおかぜ留学」という制度がスタートし、全国の子供たちをこの牧場が受け入れているのである。対象は小学5年生から中学3年生まで。

留学生は島に唯一ある粟島浦小・中学校で地元の子供たちと一緒に学び、牧場の暮らしを中心とした粟島での寮生活をおこなう。自分が小学生だったら、とても気になる制度だ。

大阪からやってきたという中学三年生の留学生に、島での生活はどうかと聞いてみたら、「楽しいです!留学してよかったです!」という元気な答えが返ってきた。何が楽しいのかというと、「毎日の新しい体験!」なのだそうだ。なかなか自信を持って言えない答えだと思う。

馬はかわいいし、海はきれいだし、ご飯はおいしいし(エゴネリは苦手らしいが)、都市部では絶対に体験できない充実した生活を送っているらしい。うらやましい。

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大阪からやってきたしおかぜ留学生。

粟島浦小・中学校の生徒数は、中学生が9人、小学生が7人で、そのうちの6名が留学生。島の子供にとっては留学生がくることでクラスメートが増えるというメリットがあるし、島の大人たちにとっても子供が島に増えることはうれしいようで、よく話しかけてくれるそうだ。

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馬の世話を通しての命の学習がおこなえる。

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馬を一人で乗りこなす子供たち。かっこいい。

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島唯一の信号の前にある粟島浦小・中学校

ちなみに留学生から見た、島一番の見どころを聞いてみたところ、「島の人」という答えだった。島独特の時間が流れているためなのか、確かに私も島の人との触れ合いが、粟島をいろいろ観光した中でも印象に残っている。

民宿のご夫婦やその友人と夕食後にお酒を飲みながら釣りの話をしたり、お菓子を買いに行った島唯一のお菓子屋さんが品切れだからと島の水で仕込んだという日本酒をごちそうしてくれたりと、普通の観光では味わえない奥行きみたいなものが粟島にはあった気がする。

このいただいた日本酒がとてもおいしくて、飲めば飲んだ分だけついでくれるので、気持ちよく酔っ払わせてもらった。

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お茶かと思ったら日本酒で驚いた。

あわしま牧場へのインターンシップ制度

あわしま牧場では、小・中学生を対象としたしおかぜ留学だけではなく、大人を対象としたインターンの受け入れもおこなっている。粟島がどんなにいいところだとしても、いきなり移住するというのはハードルが高いので、まずはこのあわしま牧場の一員として働きながら島で暮らしてみる選択肢が用意されているのだ。

インターンとしての仕事内容は、朝6時に馬のご飯をあげるところから始まり、厩舎を掃除したり、エサや水の桶を洗ったり、ボロ(うんこ)を拾ったり。ちなみに馬のボロは、島内で畑の肥料として使われているそうだ。

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馬のボロ拾いをするインターンの方。

このインターンシップは粟島への定住が目的なのだが、実際に定住するとなると仕事は自分で新しく作っていく必要があるので、この島で起業をするくらいの気持ちがいる。

これだけ豊かな自然があれば、なんらかの観光や体験を中心とした新しい事業ができそうな気はするのだが。こうやって言うだけなら簡単なんですけどね。

北海道の牧場から移動してきた加藤さんによると、広大な北海道から小さな粟島とへという180度違う場所での生活となるが、島での生活は日常生活に必要な店などが歩いて行ける範囲でコンパクトにまとまっているので、思っていたよりも便利なのだそうだ。

ということで、あわしま牧場のロケーションはとにかく素晴らしいので、馬に興味が少しでもあるのなら、粟島にいく機会があれば、いやぜひ粟島にいく機会を作って、一度いってみるといいと思う。

 

 

 

 

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