私的標本

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

ざざむしさんが主宰する富山の野食感謝祭にいってきた3(当日)

↓これの続きです。

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野食感謝祭の当日がやってきた

ものすごく濃い野食な一日を過ごした翌日、ようやく野食感謝祭の当日がやってきた。この日は何かを捕っている余裕はないので、お土産物屋をちょっと覗いたり、地元のスーパーで買い出しをして、早めに会場入りをして料理の準備を進めていく。

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カモンというスーパーの鮮魚コーナーには、なぜかでっかいサメ(ネズミザメ)とアンコウが置かれていた。さすが富山というところか。アンコウはともかく(ちょっと買いたかった)、こんなでかいサメなんて誰が買うんだろうねという会話をしつつ、必要なものを買い揃えて会場へ。

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会場はレンタルスペースというか貸別荘というか、普通に暮らすことができる古い民家で、今回はそれをドーンと2軒も借りているそうだ。ちゃんと布団もあるし食器だって揃っているぞ。泊まりで好きなだけ料理ができる空間、最高に楽しいやつじゃないか。

東京だったら考えられない広さと安さ(お泊りできて食材持ち込み枠なら会費3000円)と雰囲気に大興奮。というか、ざざむしさんが赤字になってないかこれ。やっぱり富山まで来てよかった。

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家の中に中庭がある独特の構造。富山の氷見に住んでいた友人宅もこんなんだったな。

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ウグイブラックと富山ホワイト

さて持ち込み枠で参加している私の料理だが、富山ブラックインスパイヤ系で、『ウグイブラック』のラーメンといきましょうか。ほら、昨日釣って下処理した奴が2匹もあるし。はい、本気です。

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味付けなどの仕上げは夜になってからやってくるはずのマダラさんに任せるとして、ウグイスープを作っていきましょう。鯉こくでも作るかのようにぶつ切りにダンダンダン。

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それにしてもジュウサンウグイの匂いって、やっぱり強いな。大丈夫かなこれ。

マダラさんにまずくなる可能性が高いラーメンだけ作らせるのも悪いので、小塚さんが一山いくらで買ってきた鮮度最高な魚の詰め合わせの残り(カイワリなどは朝ごはんに食べた)を使った、『富山ホワイトラーメン』も作りましょう。

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まず小魚類は下処理をして、大鍋に沸かしたお湯で湯引きして臭みを抜く。カレイとかはもったいないから塩焼き用にまわしましょうか。

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この魚を別の鍋に移し、ショウガ、ネギ、昆布と煮込んでいく。

私は完璧なラーメンレシピを突き詰めるよりも、こういう一期一会な一杯、二度と食べられない味を作る方が好きなんですよ。あー楽しい。

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魚出汁だけだとラーメンっぽくならないので、鶏の皮もドーン。間違いなくうまいやつだこれ。

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さらに富山ホワイトと言い張るために白菜を投入して、野菜の甘みをプラス。白菜=ホワイトです。

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で、問題のウグイブラックは、こちらも当然湯引きして(お湯はさっきの使い回し)、ざっと水洗いしてから、たっぷりのショウガ、ネギ、昆布と煮ていく。こっちは鶏の皮を入れず、ジュウサンウグイの味だけで勝負しましょう。ははは。がんばれマダラさん。

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アクを丁寧にとりながら煮込むんだけど、やっぱり臭いよねー。

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どこの国の料理なんだか。

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せっかくだから、煮崩してしまえ。あーあ。

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そんな感じで、間違いなく美味しいスープと、間違いなく臭いスープの出来あがり。あとはマダラさんにお任せしよう。

ところでウグイブラック用に買ってきた醤油がサッカリンとかが入った最高潮に甘いやつで大失敗。これじゃあのしょっぱさが全く出ないので、醤油を買い直さなくちゃね。

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そんな感じで必然性のないスープ作りと並行して、麺生地作り、ピザ生地作りをおこなう。わしゃ炭水化物担当か。

そして他のみんなはといえば、今朝定置網から水揚げされたサケガシラとか、狩猟でとってきた生地じゃなくて雉(キジ)とかと格闘中。何の集まりだこれ。いやこれが富山の野食感謝祭なんだよね。

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サケガシラって初めて見る魚だけど、タチウオっぽいですね。

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身は水っぽくて微妙だそうで、それなりに美味しいのは肝と胃だそうです。わざわざそういう魚をセレクトするのが富山の野食感謝祭。

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富山の野食感謝祭の様子

ということで会場の様子です。

あまり他の人の様子を見られなかったので、詳しくはざざむしさんのレポートをどうぞ。

zazamushi.net

それにしても驚いたのは、スーパーで見た「これ誰が買うんだよ」と思ったサメが会場に丸のままやってきたことですかね。そうだよね。誰って感謝祭のメンバーが買っちゃうよね。

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買ってきたシェフと野食ハンマープライスの茸本さんがタッグを組んで格闘して、美味しいサメフライに仕上げていました。

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そんなこんなで会はスタート。会場は富山だけど、東京の野食会でみたメンバーが結構いました。みんな元気だね。料理の詳しい説明は、ざざむしさんのブログで確認してください。

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どの料理も興味深い味や素材やバックボーンだったのですが、やはり一番のインパクトは『フェモい』という流行語を生みだしたざざむしさんによる、フェモラータオオモモブトハムシを茹でて熟成させたものを水切りヨーグルトとジャムで和えてクラッカーに乗せたもの。

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フェモの幼虫は茹でて数日置くと杏仁の香りがするという謎過ぎる性質があって、私はそれを不思議だねーで終わらせちゃったんだけど、ちゃんと特性を生かしたデザートに昇華させたのがすごい。だって虫の幼虫だよ。

フェモ入りだと言われなければ絶対にわからないクラッカーを口に入れると、最初は柚子の風味と水切りヨーグルトの爽やかさ、そしてクラッカーの歯ごたえ。普通に美味しい。そして何回目かの咀嚼でフェモを噛むことで、一気に広がる杏仁の香り。これぞ香りのカプセルだ。ここで一気に口の中の世界感が切り替わるおもしろさは、フェモをペーストとかにしたら味わえない強烈なインパクトだ。

味に時間軸がしっかりと存在するデザート。これは数日たって味が変わるフェモの特性のオマージュかな。見た目の気持ち悪さ(一般的視点として)も無く、フェモ皮の硬さもクラッカーで打ち消され、杏仁の香りと柚子も相性がよくて完璧。すげーなこれ。

あとコゴミのマヨサラミ和えも、組み合わせの妙がおもしろかった。すりおろしたサラミが入るだけで、グッと味の広がりがあるんだよね。こういうちょっとした変化球がズバッとくるのよ。

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それにしてもよく富山という場所で、これだけ人が集まったなー。

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野食ピザを焼く

さてマダラさんがまだこないのでラーメンは置いておいて、とりあえず最近ハマっているピザを焼かせていただこう。

生地は強力粉に水と塩とオリーブオイルとイースト菌を入れて適当に捏ねたもの。それを麺棒で伸ばすだけ。ピザを焼く機械は電源が一個あれば使えるので、どこでもピザ会ができて素晴らしい。油断するとブレーカーが落ちるけど。

最初のピザはウコギのジェノベーゼにホタルイカのトッピング。昨日摘んだウコギの新芽をサッと茹でて、刻んでオリーブオイル、ニンニク少々と合わせたものがジェノベーゼソース。

そしてトッピングのホタルイカだが、なんとこれは我々がウグイを釣って帰ったあと、小塚さん達が海に戻ってすくってきたものなのだ。なんとなんと、あのあとでホタルイカの接岸、チョイ湧きが起きたらしいのだ。うわー。

でもまあ、しょうがないね。おかげでたくさん食べられるんだし。ちなみに今日は雨で絶望的なため、ホタルイカツアーは中止されたのだった。

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ということで伸ばした生地にウコギジェノベーゼを広げ、ホタルイカを放射状にトッピング。

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これをフカイのピザ焼き器『さくさく石窯ピザメーカー』でチーン。わずか5分でできあがり。

FUKAI さくさく石窯ピザメーカー オレンジ FPM-160

FUKAI さくさく石窯ピザメーカー オレンジ FPM-160

 

 

いいね、これぞ春の野食ピザ。摘んできたウコギに採れたてのホタルイカ、まずい要素が見つからない。

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続いては漫画家の小林銅蟲さんが持参した『オナペ』のピザ。オナペはオオナゴペーストの略で、オオナゴとはコウナゴの大人で、ようするにイカナゴのことらしいよ。それをなんやかんややって作ったアンチョビ的なソース。

普通のピザソースの上にチーズをのせて、アンチョビ感覚でオナペをトッピング。1枚目は適量で作って美味しかったんだけど、2枚目はオナペ3杯増し。すげーしょっぱいけれど、だがそれがいい。最高に酒がうまいピザだこれ。天オジに食べさせたら、なんだか悲しそうな顔をしていたよ。

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こちらはペンさん持参のキノコ醤に、宮さん持参のアミガサなどを乗っけたスペシャルなキノコピザ。そりゃうまいよね。

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ピザは台所で作っているんだけど、切り分けた瞬間に四方から手が伸びてきて、会場に持っていく前にほとんどが無くなってしまう罠。

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キノコ醤と山菜という組み合わせも最高。

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でも山菜って、焼くと小さくなっちゃうのが切ないね。

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ならばと山菜を山盛りに乗せて焼いてしまえ。

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はい、最高にうまいやつ。

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そんな感じでピザは大量に消えていったのでした。

これは私が持参したネギボウズ。好きなんですよ。

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ウグイブラックと富山ホワイトを作ります

宴もたけなわな夜8時過ぎ、ようやくマダラさんが登場。仕込んでおいた2種類のスープを渡して、最後の仕上げをしてもらう。締めラーメンってやつですね。

まずはウグイブラックの醤油ダレから。普通の生醤油にちょっとだけ甘い地元の醤油を加えて煮詰めたもの。以上。

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マダラさんが味を決めている間にこっちで麺作り。ざざむしさんがタモリ倶楽部の放送前に購入した、超美品の小野式2型でスイスイと作成。いいなこれ。

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この製麺機に感動したみやけんさんが、その場でヤフオク即決していてかっこよかった。

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ということで、たっぷりの醤油ダレでしっかりとしょっぱくしたら、ネギと胡椒でウグイらしさを押さえつけて、富山ブラックインスパイヤのウグイブラックが完成!

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さすがにベースがウグイスープなので店で食べたやつとは違うけれど、ガツンとくる塩分濃度はこんな感じ。肉眼だともうちょっと黒かった気がする。

マダラさんはまだ富山ブラックを食べたことがないみたいだけど、ちゃんと雰囲気はでていると思う。心配されたウグイの臭みも、私はその正体を知りすぎているのでハッキリと感じ取ってしまうけれど、普通に魚臭いラーメンの範疇かな。良くも悪くもジュウサンウグイを使ったラーメンだ。良くも悪くもっていったけど、良さはよくわからない。

まあ味はともかく、自分達で釣ったジュウサンウグイを使って、がんばって作ったんだという達成感が大切なのだ。がんばった結果がこの味なのである。もっとスープをうまくもできたけれど、ジュウサンウグイの味を生かしたかったんだよ。

天オジに食べさせたら、なんだか悲しそうな顔をしていたよ。

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続いては間違いのない旨さの富山ホワイト。塩と醤油と創味シャンタン、さらにキノコ醤で味をつけ、油っけが足りないとサラダオイルをドバドバドバ。さすがマダラさん、油を足す手に迷いがない。

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具はネギと富山っぽいナルトナルトのように渦を巻いたカマボコ。やはりブラックと比べるとホワイトは臭みが段違いに少なく、同じ魚ベースなのにスッキリしてうまい。なぜなら同じ魚ではないからだ。鶏皮の脂もよく利いているし、こりゃ比べる方が悪いよね。

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丼に盛るのが面倒臭く、鍋で作ったけれど即完売。

やっぱりラーメンは素材が大事だね。世の中には消せる臭みと消えない臭みってあるんだな。どちらも大変おいしゅうございました。

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そんな感じで野食感謝祭を堪能させていただき、翌朝も小林さんのチャーハンなどをガッツリ食べて、お土産などを買って宮さんの車に乗せてもらって帰宅。充実の2日間となりました。やっぱり来てよかった。

そういえば天オジが天オジである所以ですが、『天麩羅をあげるオジさん』の略でした。夜中の感謝祭では山菜やホタルイカを揚げまくって、若いおねえちゃんにキャーキャー言われて楽しそだった現場写真を天オジが送ってくれたので掲載します。撮影は小塚さんかな。

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これぞ天オジならぬ天キャバ。天国キャバクラ。今からでもお金を多めに払った方がいいと思います。なんて好き勝手なことを周囲にいわせてくれる天オジの懐の深さ最高。富山湾最深部より深いな。

ということで、ざざむし様、富山の皆様、参加者の皆様、そして野食の神様、ありがとうございました!!!!

 

追記:長い文章、お読みいただきありがというございました。僕が一番書きたいのは、こんな感じの文章です。役に立つノウハウとかキャッチーな情報はほとんどないかもしれないけど、個性的な友人や自分の感情、あるいは一期一会のエピソードが主役となり、その場の雰囲気や空気が伝わるような旅行記。おかげさまで楽しく書けました。

 


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