私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

オオスズメバチの幼虫は味が強い!

某Pさんと某Mさんに連れられて、セイヨウイボショウロ、通称トリュフ探しに行ったものの、残念ながら丸坊主を食らったその帰り、Pさんからオオスズメバチの子供をお土産にいただいた。

おおお、蜂の子。しかもオオスズメバチ。そういえばPさんからいい巣があるから獲りに行きましょうと誘われて、それは刺されると死ぬのでちょっと……と遠慮したあれか。

夏に岐阜まで行って獲ったクロスズメバチ(ヘボ)の幼虫を食べる会が近日あるんだけれど、その日程がどうしても合わなくていけないのよと泣いていたところなのでうれしいじゃないですか。

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記事の特性上、ここから蜂の子の幼虫、それはイモムシとも呼ばれる生物の写真ばかりになるので、ご了承ください。モザイクとかないです。

 

 

はい。

 

いいですか。

 

いきますよ。

 

冷凍でいただいたので、とりあえず解凍。

大きな幼虫、大きくはない幼虫、サナギがございました。

これは大きな幼虫。

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で、幼虫は腹の中にウンコがつまっていて、それを取らないとダメよということらしく、まずサッと茹でます。海老の背ワタみたいなもんですな。生きている幼虫だと茹でなくてもピュッと摘まんで尻から抜けるという話も。

サナギになると未消化物はなくなるらしいで、そっちはそのままで。

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はい、茹でました。色白!

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このままでも意外といけるんじゃねと思いつつ、やっぱりウンコが詰まっていたらいやだなーと、これの背中側をハサミでチョキチョキしてみる。

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チョキン。

 

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うおーーーーーーーーーーーーーー。

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すごいなこれ、背ワタっていうレベルじゃなかった。

オオスズメバチというか映画(を金曜ロードショー)で見たエイリアンだこれ。

あ、ホワイトチョコに包まれたミルクチョコにみえなくもないですか。こういうのあったら売れそうですね。どうやって作るか知らないけど。

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これがトリュフソースだったらなー。

 

きゃーーーーーー!

なんどやっても驚く。

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さすが肉食のハチっすな。

こりゃワタを抜かないと絶対だめよねー。

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小さい個体だと、背ワタを抜くと夏用の寝袋から出た後みたいになるな。

オオスズメバチのハチノコはウンコの寝袋、覚えましょうね。

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もうすぐサナギになるぞという個体なのか、黒い背ワタが無いものも2割くらいあった。

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ということで処理完了。

実はちょっと楽しかった。

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まだウンコ汁が残っていそうな気がするので、日本酒でちょっと洗っておきましょうか。チャプチャプ。

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ハチノコといえば佃煮ですかね。

下処理をした幼虫にサナギを加えて、醤油、酒、みりんで煎り煮。

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市販品よりもアッサリ味がいいかな。

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はい、できた!

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恐る恐る食べる。

 

うおーー!

なんだこれ、鳥肌ものの虫味の濃さ!

いや、昆虫系に共通する虫味っていうものがあってですね、それがすごく濃いんだわ。

噛むとその味がぷちゅっと広がる。強い。中身は茹でたカニのフワフワした白い謎の部分に似ているかな。似てないか。蜂の子は蜂の子だ。クセがあるというか、虫味が濃い。見た目はタイノエ(魚の口に住む寄生虫)っぽいかな。

旨味の密度が人生最高レベル。ただし昆虫の旨味。いやー、味が強い。これは滋養強壮剤だ。昔から蜂の子が各地で珍重されている理由がよくわかった。

 

で、そんな報告をPさんにしたところ、バター焼きにするとチーズみたいでうまいよとのこと。なにそれ気になる。でも全部佃煮にしちゃったよ。

じゃあ佃煮のバター焼きでいいか。

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吸えよバター、唸れハチノコ。

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はい、できた。

オオスズメバチの幼虫の佃煮のバター焼き。

情報量多いなー。

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食べてみると、これがうまい。食べやすい。見た目は相変わらずだけど。

昆虫独特の原始的なパワーあふれる旨味に、バターが持つ親しみのある動物性脂肪の味が加わり、より美味しくなっている。それを支えるのは日本人なら大好きな醤油のグルタミン酸だ。これ一皿で一週間分のオカズになりそう。

 

ということで、俺の中のご飯やら酒やらが進みすぎるおかずランキングの一位に蜂の子が浮上したのだった。

 

いやー、すごかった。

 


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