私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

麺に野菜を練り込んだ、究極のサラダうどんを作ってみた

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2014年4月22日に掲載した記事の転載です。

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うどんのような麺類は、単品で食べるとどうしても野菜不足になってしまうので、「ベジタブル・ウィーク」という野菜の粉末を使った、ヘルシーっぽいうどん作りを研究してみた。

麺類に野菜の栄養素と彩りをプラスしたい

うどんやラーメンなどの麺類を、自分で粉から作るという道楽に最近ハマっており、日本製の古い家庭用製麺機を何台も買ってみたりしている。詳しくは「趣味の製麺」というブログをお読みください。3回くらい。

www.seimen.club

製麺機で麺類を作るのは簡単で楽しいし、食べてもおいしいので趣味としては最高なのだが(製麺機を何台も買うのは別問題として)、麺類ばかり食べていると、どうしても野菜不足になってしまうのが気がかりだ。特にざるうどんなんて、ほぼ100%炭水化物である。オールカーボン。子供なんかは献立にうどんやラーメンがあると、その麺しか食べてくれない。製麺マニアとしては嬉しいのだが、それでは親として困る。

どうにか少しでも麺類に野菜の要素を組み込めないかと悩んでいたら、うまいもんプロデューサーというサイトで、あさぎり農園の「ベジタブル・ウィーク」という商品を見かけたので、これを使ってうどん作りをしてみることにした。きっとカラフルで鮮やかなうどんが出来上がるはずだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002449j:plainこれがベジタブルウィーク。1週間分7種類のセット

f:id:tamaokiyutaka:20190311002501j:plainほうれん草、ニンジン、ゴボウ、カボチャ、紫芋、ビーツ、コマツナだそうです

f:id:tamaokiyutaka:20190311002514j:plain小麦粉は、群馬県産の中力粉にしてみた

野菜粉末入りのうどんを作ってみる

ベジタブル・ウィークという野菜の粉末を入れたうどんの作り方だが、小麦粉にベジタブル・ウィークを混ぜる以外は、いたって普通である。

1人前を以下の分量で試してみるとこんな感じ。

・小麦粉(中力粉) 100グラム・塩 3グラム
・水 45グラム
・ベジタブル・ウィーク 1袋(1.5グラム)

f:id:tamaokiyutaka:20190311002530j:plainニンジンの粉末は優しいオレンジ色

f:id:tamaokiyutaka:20190311002544j:plainほうれん草は鮮やかな緑。匂いも青汁っぽい

これらの材料を7種類分、計7回ほどよく捏ねたら、7色の野菜パウダー入りうどん生地のできあがりである。

100グラムずつ7種類作るのがまあまあ面倒臭かったが、想像していたよりもきれいな発色でうれしい。超ポップ。きっときゃりーぱみゅぱみゅさんも好きだろう。何色にも染まっていない純白のうどん粉を、自分好みの色に染めていくという、今までの製麺作業にはない喜びを感じた。

ちょっと変わったうどん屋さんというよりも、アイスクリーム屋さんになった気分だ。いっそ31種類とか作りたい。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002604j:plain左上から時計回りに、コマツナ、ビーツ、ホウレンソウ、ゴボウ、ニンジン、カボチャ、紫芋

ここまでできたら、あとは簡単である。なぜなら製麺機があるからだ。

製麺機のハンドルをクルクルと回して、生地を伸ばしてカットすれば、野菜入りうどんの麺があっという間に完成だ。

俺の製麺機、超かっこいい。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002619j:plainもちろん製麺機じゃなくてパスタマシーンでも大丈夫だと思います

野菜パウダー入りうどんの試食会

そんな感じで出来上がったうどんの麺を持ってやってきたのは、西新宿のニフティ本社。まさかの出前である。

せっかくなので地球のココロの担当者と、「うまいもんプロデューサー」の担当者にも試食をしていただこう。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002652j:plainうどんの道具を一式持ってニフティへやってきました

残念ながらニフティの社内には、うどんを茹でられるキッチンがないということで、近くに住んでいるというニフティ社員の方のマンションにお邪魔させていただき(私はまったくの初対面)、台所をお借りして、うどんを茹でさせていただく。

初対面の人がうどんを茹でにやってくるって、一体どういう気分なのだろう。しかもお互いが男だ。

そんな心理描写は置いておいて、制限時間はお昼休みが終わるまで。さあ1時間7本勝負(7種類作ったから)のスタートだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002709j:plainうどんも気になるが人の家も気になる試食係の3人。左からうまいもんプロデューサー担当の荒井さん、地球のココロ担当の池田さん、清水さん

f:id:tamaokiyutaka:20190311002726j:plainこちらが持参した野菜パウダー入りのうどん。ちゃんと野菜の色が綺麗に出ている

f:id:tamaokiyutaka:20190311002739j:plain100%野菜由来の微妙な色の違いが楽しい。やはり7種類作ってよかった

うどんの食べ方だが、茹でて水で洗って、市販の麺つゆを掛けて食べるという、一番シンプルなものにしてみた。

これが普通の麺だけだったならば、野菜の要素はまったくゼロのメニューだが、今回はそれぞれの麺に、その野菜が一番美味しくなる旬の時期に収穫した熊本産の野菜から作られたパウダーが練り込まれているのだ。

ちなみにベジタブルウィークは、生野菜に換算すると、粉末の重さの6~13倍の生野菜を使用しているらしい。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002752j:plain鍋を二つ用意して、1種類ずつ茹でていきます

f:id:tamaokiyutaka:20190311002810j:plain水でよく洗って、ぬめりを落とす

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家主を含めて、茹でたてを5人で試食していく

野菜パウダー入りうどんの味は?

出来上がった野菜パウダー入りのうどんだが、まず色が茹でる前より鮮やかで、とてもおいしそうなところが素晴らしい。

茹でたてを提供するのは壮絶な面倒臭さだろうけれど、7種盛りのカラフルなざるうどんがお店で出せたら面白そうだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002842j:plainハデだけれど自然な色

味と香りはやはり普通のうどんとは微妙に違うのだが、野菜嫌いの人でもまったく抵抗なく食べられる程度の差だと思う。

その鮮やかな色から受ける印象も大きいと思うが、ニンジンやカボチャの優しい甘さだったり、ホウレンソウや小松菜のちょっと茶そばっぽい風味だったりが加わったことで、普通のうどんにはない「食べる楽しさ」がある。個人的には、もっと野菜パウダーの割合を増やして、野菜の味をよりはっきりとさせてもいいかなとも思う。

ということで、1時間の制限時間内に、無事7種類のうどんを飽きることなく全員完食。

試食をしている間、野菜パウダーの便利さ以上に、製麺機の素晴らしさを語っていたような気もする。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002859j:plainかぼちゃとうどんの相性は、山梨の「ほうとう」が証明済みですね

f:id:tamaokiyutaka:20190311002917j:plain野菜っぽさが強すぎた時のためにドレッシングも持ってきたのだが、かけなくても全然おいしい。でもかけると、これもまたおいしい

究極のサラダうどんを作ってみる

さて野菜パウダー入りのうどんは無事成功したのだが、どうせだったらもっと野菜がとれるうどん作りに挑戦してみたい。そこで1人前のうどんに入れる野菜パウダーの量を、ドーンと増量してみることにした。

もう一度7種類のうどんを作るのは大変なので、今回は緑グループ(ほうれん草、コマツナ)、赤グループ(ビーツ、紫芋)、黄色グループ(ニンジン、ゴボウ、カボチャ)と、信号風に分けた3種類の生地を用意してみよう。ベジタブル・ウィークをダブルで入れて、ベジダブルである。

f:id:tamaokiyutaka:20190311002935j:plain100グラムのうどん粉に対して2袋を投入!ベジダブル!

f:id:tamaokiyutaka:20190311002945j:plainなかなかすごい色ですね

f:id:tamaokiyutaka:20190311002956j:plain黄色グループは豪華に3種類

f:id:tamaokiyutaka:20190311003008j:plainより色の濃い生地が出来上がりました

前回よりもさらに色が濃くなった生地。知らなければうどんの生地には見えないだろう。マジパンか、あるいは団子三兄弟か、クレイアニメの制作現場か。

こいつを我が家のかわいい製麺機で麺に加工。ハンドルを回して作るので、手打ちうどんではなく、手回しうどんである。

f:id:tamaokiyutaka:20190311003020j:plain白い粉は、片栗粉です

f:id:tamaokiyutaka:20190311003031j:plainはい、茹であがりました

茹であがった麺は、うどんというよりも生パスタっぽい見た目だ。今度はうどんじゃなくて、生パスタにしてみようかな。

試しに麺を何もつけないでそのまま食べてみると、ツルツルシコシコしたうどん本来のうまさは当然として(私が作ったからな)、しっかりと野菜の甘さや香りがプラスされているように感じる。ちゃんと野菜の味がするうどんだ。これくらい野菜パウダーの量が多いほうが、私としては好みかな。

それぞれの麺に何種類かの野菜パウダーが混ざっているが、特に違和感はないようだ。何の野菜を使ったうどんなのかをはっきりと味で確かめたいのなら、もちろん1種類のパウダーで作った方がいいけれど、味わいとしては複数入れた方がよりおいしいような気もする。

この3種類のカラフルなパスタ…じゃなくてうどんを使って作ってみたのが、ゴージャスなサラダうどんである。

f:id:tamaokiyutaka:20190311003044j:plainスーパーウルトラグレートフレッシュサラダうどん

7種類の野菜パウダーが練り込まれたうどんに、さらに数種類の野菜をプラスした、野菜たっぷりのサラダうどんである。ちなみにオクラ、レタス、トマト、カイワレ、キュウリ、ベビーリーフが入っている。味付けは市販のめんつゆとドレッシングをブレンドしたもの。

めんつゆの鰹節以外は野菜だらけのメニューだが(わざわざ買ってきたツナ缶を入れるのを忘れたので)、物足りなさはまったくなし。これならうどん一食で野菜がたっぷりと食べられる。たぶん。

長期保存ができる野菜パウダーと、その時の旬の野菜を組み合わせることで、より料理の幅は広がってきそうだ。野菜嫌い・野菜不足の人のためだけではなく、野菜が好きな人にも、そして離乳食や介護食を必要としている人にも、この色と栄養のトッピングは有効だろう。

この製麺機とベジタブル・ウィークがあれば、うどん以外にも、カラフルなパスタ、ラーメン、ソバなど、麺類ならなんでも作れる。あるいは水餃子の皮を作ってもかっこよさそうだ。野菜の栄養がプラスされるというメリットはもちろんだが、製麺マニアとしては、生地に好きな色が付けられるのが、単純にたのしいのである。

「製麺機なんて持ってないよ!」という人は、すいとんにしてみたり、手打ちうどんに挑戦してみたり、刀削麺にチャレンジしてみたり、製麺機を買ったりするといいと思う。

 


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