私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

干潟のホヤ、シロボヤの味はちゃんとホヤだった

 

 

 

三番瀬のシロボヤを食べてみる実験

そろそろホヤ本番の季節ですね。

ホヤ、ご存知でしょうか。マボヤ。日本では三陸の海などに生息していて、宮城県などでは盛んに養殖をしています。東日本大震災の津波で壊滅的なダメージを受けましたが、どうにか復活をして生産量が戻ったにもかかわらず、主な輸出先だった韓国が未だに輸入禁止の措置をしているため、売り先がないという状態のようです。

食べましょうよ、ホヤ。

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美味しいホヤはすごくおいしいですよ。

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で、今日の本題は別の話です。

先日、三番瀬という東京湾奥にある干潟に行ってきました。

そこで見つけたのがこちらです。

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ホヤの仲間であるシロボヤ。

干潟に行くとよく見かけます。

富永一朗先生の描く、おばあちゃんみたいです。

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これからが旬のホヤ(マボヤ)が大好きなんですが、うちの近所だとなかなか鮮度の良いものが買えません。

ならシロボヤを食べればいいじゃない、っていう話にならないですかね。

数年前の私なら、わざわざ食べようとは思わなかったと思いますが、ホヤの捌き方や食べ方を学習した今なら、おいしく食べられるような気がします。

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見た目がすでに微妙ですが、実は美味しいかもしれない。

シロボヤも海の浄化作用に一役買っていると思われるので、複数の場所から間引くように、味見程度にちょっとずついただきます。山菜のコゴミとかと一緒。

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そして帰宅。

クーラーボックスを開けたら磯の香りがムワっとしました。さすが。

ざざざっと流水で洗います。

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一瞬、「持って帰んなきゃよかった」っていう気はしました。はい。

 

 

 

シロボヤを捌いて食べてみよう

ホヤには突起が二つあって、「+」の給水側から海水を吸って、体内で栄養分を吸収して、「-」の排水側から出すという構造です。

中央にあるマボヤの右が「+」、左が「-」。

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シロボヤの場合はわかりにくいですけど、下の写真だと右の高い位置の突起が給水側で、低い位置にあるのが排水側のようです。

捌いたら排水側にウンチが詰まっているのでわかります。

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包丁を入れます。

鮮やかなオレンジ色。さすがシロボヤといえどもホヤ。

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マボヤと同じように、外側の殻から身がペリペリと向けました。やった。

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歩留まりがものすごく悪いですけど、構造としてはちゃんとホヤですね。

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排水側に詰まっているウンコを取り出し、水でざざざっと洗います。

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ええと、これって生で食べて大丈夫ですかね。

全然、まったく、絶対に、お勧めする食べ方ではないんですけど、ホヤといえば刺身が好きなので、とりあえず生で食べてみます。

マネしないでください。しないと思いますが。

 

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おおおおおお、ホヤだ。ホヤ独特のえぐみがちょっと強くて水っぽいけれど、まぎれもなくホヤの味。うん、ホヤ。

野草のハマダイコンと野菜のダイコンみたいな違いがあるけれど、シロボヤとマボヤは同じ系統だこれ。同じ系統だけど、面倒なので人々が好んでは食べない可食生物という感じ。

口の中がものすごく甘くなるパワーは、シロボヤのほうが強いかも。

試しにポン酢をちょっと掛けたら、すごく食べやすくなった。想像以上にちゃんとホヤだ。

古いマボヤよりも新鮮なシロボヤのほうがうまい。採れたてホヤホヤっていうくらいだし。

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うっかり真っ二つにしてしまったのがこちら。

下の茶色い部分はウンチじゃなくて肝臓(肝膵臓)。ホヤのミニチュアだ。

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ということで、シロボヤはホヤの仲間でマボヤに近い味がするけど、すごく小さいし水っぽいし採ってくるのが大変なので、新鮮なマボヤを選んでたくさん食べましょう!私も買ってきます!

 


※ちょっと買い物しませんか※


 

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