クリスマス
パンクしてるよ
バイシクル
自転車屋さんは
どこにあるやら
あー、図書館いこうと思ったのにー。
空気入れてもすぐ抜けちゃう。だめだこりゃ。
なんかすごい落ち込む。
心がタイヤと一緒に凹んでしまう。
残念ながら、自分でパンクを直せるスキルは持ち合わせていない。学生の頃にチャレンジして失敗した。もうやるもんか。仕方ないので、腑抜けになった自転車を押し、いつもより人通りの多い商店街をとぼとぼ歩く。確かどっかに自転車屋さんがあったような。あ、あった。
競馬中継がBGMの昭和の香り漂うお店と同化したジイサンに、「自転車、パンクしてしもてん」とセツ子の物まね風で訴える。自転車を買った店じゃないところでのパンク修理ってちょっと気が引けるね。
手際よく外されたチューブを水の入ったバケツにいれから、穴の空いた箇所を発見。よかった。ちゃんとパンクしていて。こういう「手作業」を見ているのは楽しいなと。
チューブの穴にゴムを貼付けて穴を塞いでいる最中、テレビから流れてきたファンファーレの音とともにジイサン無言で移動。どうやら競馬のレースが始まったらしい。パンク修理一時中断。
レースが終わり、ちょっとむっとした表情で戻って来たジイサンの手によって、無事パンク修理完了。800円。
パンク修理をしてもらっただけで、必要以上の会話は一切なかったんだけれど、ジイサンの手さばきをみているだけで、なんか楽しかった。自転車がパンクするのは嫌だけれど、パンクしたらここにくればまた修理が見られるってのがわかったので、ちょっと次のパンクが楽しみになった。
久しぶりに気分よく「ありがとうございました！」といって、自転車にまたがり図書館へ向かった。
