5月某日、毒のある生き物好きの伊藤さんが、東北道、関越道、磐越道のどこからも遠いという陸の孤島、檜枝岐村へサンショウウオ漁の取材に行くというので、同行させてもらった。サンショウウオに毒はないのだが。
詳しくはこちらをサンショウウオ。
■山人(やもーど)と行く、檜枝岐のサンショウウオ漁
主にカーシェアリングの仕組みについて話をしながらのドライブ。
途中の峠道に「世界のパン・弁当」という看板が描かれた店があり、「こういうところに隠れた名店があるんだよね、きっと南青山とかで繁盛店だったマスターが、喧騒を逃れてやってきた店なんだよ」ととかいいながら入店。
いざ入ってみると、普通のヤマザキショップで、売っているパンも当然ヤマザキのパンだった。
「やっぱり世界のパンといえばヤマザキだよね〜」なんて。
せっかくなので奥会津の民話(艶話)を集めた『よべきこ』という本を購入。旅のテンションで買うだけ買って読まないパターンのやつだが。実際まだ読んでない。
伊藤さんはその2巻と、この地方の偉い人が出した伝記DVDを、「だれだよこれ」とかいいながら買っていた。
そんな内容の買い物だからなのか、レジでパン作りの名人じゃなかった店主に、「このDVDを買う人はあんたがはじめてだよー。で、こちらの彼氏(私)は会計ご一緒ですか?」と聞かれた。彼氏?
目的地の檜枝岐村へと到着。いまだに檜枝岐村という名前が憶えられていないのだが。
昼飯に適当な店へと入り、名物だという裁ち蕎麦の定食をいただく。
これはつなぎ(小麦粉)を使わない10割蕎麦だそうで、広く伸ばした生地を折ってから切ろうとすると割れてしまうため、折らずに小さめの生地を重ねて切って作るそうだ。
で、この定食がでてきて、伊藤さんが口をつぐんだ。
ワラビにマヨネーズが掛かっていたのが許せなかったらしい。
マヨネーズ嫌いは予想外のところに地雷があって、生きるのが面倒臭そうだなと思った。
ちなみにその日に泊まった民宿でも、ワラビにマヨネーズが掛かっていた。ははは。
檜枝岐村はとても良いところで、サンショウウオがとれるというだけあって、イワナが目視で確認できるほど溢れており、ここで渓流釣りをしたらさぞや楽しいだろうなと思いつつ、虫捕りとサンショウウオ漁しかしないというセルフ放置プレイ。
で、虫捕りのときに「これ、ちょっと育ちすぎてますがウドですよ。天麩羅ならいけるかなー」とかいって集めていた草を、通りがかった地元のおっちゃんに「そりゃウドじゃねえ。食べたら死ぬぞ〜」と笑われるなど。なるほど、確かにウドじゃない気もする。
↓うまそうなニセのウド
↓ホンモノのウド(育ちすぎ)、全然ちがうわ。
さらに、「これは朴の木ですね。味噌を塗って焼いたり、お皿とかにして使うんですよ」なんて熱く語っていたら、あとでサンショウウオ漁師さんに「この栃の木の花が咲くころがサンショウウオ漁のシーズンなんだ」と言われたり。朴と栃、字が似てるよね。
↓朴の木じゃなくて栃の木らしいぞ
ついでに、サンショウウオ漁の途中で立派なシダ植物の若芽をみつけて、「こりゃ佐渡で食べたオニヒカゲワラビ、通称イッポンコゴミだ!」と喜んでいたら、「へー、そりゃ地元じゃ食わないなー」と不思議がられて、「いやいや、アスパラみたいでうまいんですよー」と力説したのだが、持ち帰って食べてみたら、青臭さがすごくて食べられたもんじゃなかった。
あとから佐渡で採ったやつの画像を確認したら、毛深さがギャートルズと未来人くらいに違った。
あのうまそうだけど青臭いシダ植物の正体はなんだったんだろう。
↓佐渡で採ったやつ
ということで、半端な知識で食材集めをしてはいけないよと。
キノコ狩りだったら死んでいるパターンだなと思いました。
そういえば夜にも虫捕りにいったんだけど、時期が早すぎてめぼしい収穫なし。
細い道を歩いていたら奥から獣の鳴き声がして、ダッシュで退散。
たぶんサルだと思うんだけど、ほらクマもでる山だから。
↓ウサギ
↓ヒキガエルを観察に行く伊藤さんと、面倒で車から出ない私
以上です。
サンショウウオを料理した話はこちらに書きました。