※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2013年3月14日に掲載した記事の転載です。
梅酒を作った際の副産物であるアルコール漬けの梅の実。捨てるのもなんだかもったいないので、これでジャムを作ってみることにした
梅酒に残された梅の実を有効に使いたい
数年前に漬けた自家製の梅酒をたまの晩酌に飲んでいるのだが、当然のように梅酒だけが減っていき、梅の実が瓶に残されていく。
梅酒は2瓶つくって、そのうち1瓶はすでに飲み切ってしまい、そこに残された梅の実はなんとなくもう一つの瓶に移してとっておいたので、残った瓶は梅の実だらけだ。
梅の実が梅酒から飛び出してしまっている。
この余っている梅の実でジャムを作ろうというのが今回の主題なのだが、まずは味見とばかりに、そのまま梅の実を一つ取り出して食べてみたら、これがびっくりするくらいおいしかった。しっかりと梅酒が果肉に染み込んでいて、上品な和菓子のようになっているのだ。
このまま食べるのが一番うまいような気がする。
なんだ、梅の実はこのまま食べればいいんじゃないかと思ってしまったのだが、それだと話が続かないので、瓶に食べる分の梅の実を少し残しておいて、ジャム作りに取り掛かろうと思う。
ところで今日の私はジャムを作るおじさんなので、ジャムおじさんだ。
梅酒の実でジャムを作る
梅酒の梅を使ったジャムの作り方だが、まず梅の実を水から煮て、アルコールを飛ばしつつ、実を柔らかくする。煮る時間は沸騰してから15分くらいだろうか。
グツグツ。
煮た梅の実をザルにあけて、少し冷ましてから種を取り出す。ちゃんと冷ましたつもりでも、実の中がけっこう熱くて焦りがちな工程だ。
よく冷ましてから種を取りましょう。でも少し熱いくらいが楽しい。
続いて、種をとった梅の実に砂糖を適量加えて、火にかけて練っていく作業。砂糖の量は、ジャムとしてはかなり控えめにしてみた。
調味料としても使いたいので、砂糖は控えめにしてみました。
しばらく実をつぶすようにしながら火にかけて練っていくと、練りワサビのような梅の実ジャムが完成。見た目から味が想像できない系の食べ物である。
甘いんだか、辛いんだか、酸っぱいんだか。
梅酒の実のジャム、なんだか想像していたよりも簡単にできてしまった。これでおいしかったらいいんだけれど。
とりあえず体には良さそうな気がする。
ちょっとなめてみると、ジャムというよりもペースト状になった梅酒の実という感じだ。
煮沸消毒した瓶に詰めたら完成。
程よい酸味がとてもおいしい梅の実ジャム
さて梅の実ジャムの食べ方だが、まずはシンプルに無糖のプレーンヨーグルトに加えてみたのだが、梅とヨーグルトの2つの酸味が調和して、さっぱりとしていてとてもおいしかった。胃腸がとってもすっきりしそうな味である。
ジャムは砂糖を控えめに作ったけれど、この甘さで充分だ。
気に入りました。
続いてはジャムらしくバタートーストにたっぷりと塗ってみたのだが、これもまたよかった。梅ジャムの程よい酸味が、食欲中枢を刺激してくれる。寝ぼけ顔で食べる朝ごはんには良さそうだ。
梅ジャムトーストとカフェオレの組み合わせが、合わなそうだけど合うんだな。
最後は料理の調味料として使ってみた。豚肉を梅の実ジャム、酒、みりん、しょうゆに漬けこんで焼いてみたのだが、ジャムの酸味と甘みが引き立ち、なかなかおいしいソースとなってくれた。
肉といえば生姜焼きや照り焼きのように、甘じょっぱい味付けにしがちだが、そこに梅の酸味が加わることで、また別のおいしさとの出会いがある。フランスあたりのジビエ料理でも食べているような気分にちょっとなれるかな。
梅の実ジャムと醤油の相性がいいんだな。
梅酒の実で作ったジャムは応用範囲が広そうなので、今までは梅酒に対して梅の実を余らせてしまっていたが、今後は梅酒の方を余らせてしまいそうだ。