好きなスポーツ選手をあげていくと、たぶん42番目くらいに名前が出てくるであろう人が亡くなった。最初その情報を知人からメールで聞いた時、不謹慎だが自殺かと思ってしまった。まだ40歳で、悪いのは肩だけだと思っていたから。
彼の事は、知り合いでもないし、試合を生で見た事すらない。
正直、ファンといえるほどの立場ではないが、一応週刊誌を通して彼をある程度知っていた。
ここ数年の彼は、残念ながら肩の怪我で思ったような試合ができず、自ら立ち上げた団体を自分の手で潰すなど、きっと本意とはいえないであろう時間を過ごしていたように思う。
今日一日、陳腐な表現だけれど、心のどこかにぽっかりと穴が空いたように、なにをしてもすべてその穴から漏れてしまった。
やけ酒でも呑もうか、声を泣いてみようかと思ったけれど、なにをしたらいいのかがわからない。
こんな時、仕方ないさと思うしかない。
彼は僕のために生きていた訳ではないんだから。
時が来たんだ。だから、仕方ない。
自分で立つ事ができない手作りの烏賊徳利で安い日本酒を呑みながら、「私的橋本」とつぶやいてみた。