私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

羊毛フェルトで超簡単ニードルフェルティング入門

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2012年9月18日に掲載した記事の転載です。

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羊毛フェルトを専用の針でチクチク刺して作るニードルフェルティングの超簡単な入門本が出たので、手芸オンチの私でもできるのかチャレンジしてみた。

誰にでもできるニードルフェルティング

私がニードルフェルティングというものを知ったのは(この単語は今日覚えたのだが)、のそ子さんという作家さんの作品をたまたまツイッターで見たのがきっかけである。確か生まれたてのパンダだったかな。

単純にかわいいという単語では表せない、独特のタッチで作られたその作品にすっかり魅了されたのだが、そののそ子さんが『羊毛フェルトでつくる ふわふわイヌ・ネコ』という、ニードルフェルティングのキット付き入門書を出した。

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こんなに可愛い作品が作れてしまうらしい。

作品だけみても、どうやって作るのか見当もつかないニードルフェルティングだが、この本を読めば誰にでも数時間で作れるようになるらしい。しかも必要な道具付き。

それって手芸の経験が義務教育レベルの私でも、入門できるものなのだろうか?

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「大丈夫!これがあれば誰でも可愛く作れます!」

あ、あなたは、のそ子さんではないですか!

ということで、ニードルフェルティングの入門書を書かれた作者様に直接教えてもらうという、大変ずるい体験をしてきました。

ちなみに本をよく見たら、「モノづくり系女子のためのお手軽クラフト」と書かれていた。

……まあいいか。

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本にはふろくとして、ニードルフェルティングに必要なものがほぼ揃っている。用意するのはハサミとまち針くらい。

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のそ子先生を呼び出さなくても、本を読みながら手を動かせば、スルスルと理解できる内容です。

ニードルをチクチク刺すだけで、可愛い作品が作れてしまう

ニードルフェルティングの作り方は、基本的にはニードルという溝がたくさんある特殊な針で、羊毛をチクチクと刺していくだけ。

何種類かの羊毛をチクチクしていくだけで、あのかわいい作品ができてしまうのだ。

そんなことを言ったら、絵は絵の具を塗るだけ、彫刻は木を削るだけ、ピアノは鍵盤を押すだけなのだが、その敷居の低さが段違いなのである。

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これがニードルという専用の針。手に刺さるといけないので、これは刺さったら死ぬ毒針だと自分に言い聞かせて、慎重に使用した。

まずは綿状になった羊毛でベースとなる形を作るのだが、完成形をイメージしてチクチクと刺していくだけ。刺したところが圧縮されて固まっていくのだ。

編み物やビーズのように、最初に覚えなければいけないものがほとんどない。直感的にサクサクと刺すだけで、文字通りサクサク進んでいくのがいい。

多少失敗してもすぐに挽回できるので、これなら手芸音痴の私でも楽しめそうだ。

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まずは『ニードルわたわた』という、綿状になった羊毛でベースとなる形を作る。作っているのは犬の顔です。

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はい、できた。先生、チェックお願いします。

ちなみにのそ子さんは、これだけ上手にニードルと羊毛を操るのに、縫ったり編んだりといった手芸はまったくできないらしい。

フェルト羊毛をかぶせる

続いての作業は、好みの色のフェルト羊毛をかぶせていく作業。細かいやり方は本を読んでいただくとして、少しずつ重ねてチクチク刺していくと、綺麗に張り付いてくれるのだ。

この無心で手を動かしていく感じ、なんだか鍛冶屋職人にでもなったような気分である。

ノーストレスで手を動かせるって素晴らしい。

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台になるマットも本についています。ただの梱包材だと思って捨てそうになった。

チクチクチク。

「今日、ずっと考えていたんですけれど、のそ子さんの本名って、のり子じゃないですか?」

「え、なんでですか?」

「ほら、のり子をカタカナで書くと『ノリコ』で、それを『ノソコ』と読ませるんでしょ。」

「あー。全然違いますよ。」

「…ですよねー。」

チクチクチク。

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のり子さんじゃなかったのか。

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はい、毛が生えました。さわってごらん、ウールだよ。

目と鼻を付け、羊毛フェルトを植毛する

次は黒い羊毛フェルトを丸めて、目と鼻を作る作業。これも接着剤などは不要で、ニードルで刺せばくっついてくれる。

今度は針治療でなんでも治してしまう、伝説の天才鍼灸師気分でチクチクチク。

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目を左右バランス良く付けるのが難しいのだが、失敗しても刺し直せばいいだけ。超気楽。

最後は田植え気分で植毛作業。これも適当な長さに切った羊毛フェルトをニードルで刺し込んでいくだけだ。

手を動かした分だけ、目に見えて進んでいくのが素晴らしい。

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モヒカン。もうこれで完成でもいい気がする。

この植毛は一見難しそうな作業なのだが、多少ヘタクソだったり雑だったりしても、それが個性や味わいになってくれる。たぶん。

もちろん見る人がみれば上手い下手は一目瞭然だそうで、素人でも短時間でそれなりに仕上がる反面、こだわればいくらでも楽しめるのが、ニードルフェルティングの良さなのだろう。

敷居は低いが奥行きは深い。恐ろしや、迷い込んだら出られない、ニードルフェルティングという名のラビリンスよ。

なにいっているんだ俺。

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後頭部側から見た作成途中。ちくしょう、いちいち可愛いぜ。

僅か2時間でコラボ作品が完成

初挑戦のニードルフェルティングは、チクチクやること2時間で無事完成。最初に想像したよりも、だいぶ早くできてしまった。

まあ正直にいえば、時間短縮のため、のそ子さんにだいぶ手伝ってもらったのだが、あえてこれをのそ子さんと私のコラボ作品と呼びたい。悪くいえば、親が手伝った夏休みの宿題みたいなものだが。

でもまあ、一人で本を読みながらやっても、3時間、いや4時間あれば、これに近いものができたと思う。本当だってば。

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この犬はチャウチャウちゃう?スターウォーズに出てくるアレみたいでもある。

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のそ子さんが作ったアルパカ。これも本の材料と情熱で作れる。

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植毛をしないで仕上げた白クマも強烈にかわいい。

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これで私もモノづくり系男子!

自分の手が生み出したとは思えない(手伝ってもらったけど)、可愛らしさと完成度。ニードルフェルティング、こりゃハマるわ。中毒性が高そうだ。

とりあえず一番簡単な犬の顔を1個作っただけなのに、もう羊毛フェルトとニードルさえあれば、何でも作れるような気になってくるのがすごい。なんだこの万能感は。

一周回って羊毛で羊を作りたい。いやいっそ実物大のケムシとかどうだろう。あるいはウミウシ、イソギンチャクなんていう海の生物もかわいいかな。

なんだかこのまま一気にポケモン全種類作りたいくらいだ。何種類あるのか知らないけれど。

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ゴムをつけてもらって髪飾りにしました。

 

 

 

 

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