月曜のお話です。
日曜日に食べた子羊の丸焼き一頭分の骨がもったいなくて捨てられなかった。だって高かったんだもの。せっかくなのでとりあえず大鍋でネギ、ショウガ、コンブと煮込んでみる。きっと羊臭いダシがでるような気がする。
アクと脂を捨てながら5時間程弱火で煮続けたら、とても上質のダシが出やがった。上等な羊の味はするけれど臭みはない。さすがミルクラム。
さて、どうしよう。芋煮の材料が大量に余っているので、これで芋煮をまたつくろうかとも思ったが、それはもったいないだろうっていうくらいうまいダシなんだよな。
うまいダシといえばあれだ。温めたドンブリに米の麺、チンしたモヤシ、水にさらしたタマネギ、軽く茹でた牛肉(芋煮の残り)を入れてやる。
そこに醤油、塩、胡椒、ニョクマム、唐辛子で味を付けしたスープを注ぎ、パクチーをタップリ乗せてフォーだフォー。フォー。子羊ダシなのにベトナム料理だ。レモン絞ってやれ。
子羊のフォー、すこぶるうまい。ベトナムで食べたフォー・ボー(牛)、錦糸町で食べたフォー・ガー(鶏)よりも、こいつは明らかにうまい。子羊だからフォー・メーか。具は牛だからフォー・メー・ボーか。なに人だ。
味の素の類を一切使わなくてもぜんぜん濃厚。スープに深みがあるが臭みがない。でもスッキリ。さすがウン万円の子羊だ。なぜかニョクマムが実によく合う。
こういう一生に一度しかつくることのないような料理がおいしくできると、とてもうれしいんだな。
ちなみに麺はフォーの麺が近所で売っていなかったのでライスペーパーだ。