私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

製麺機を自分で回す、セルフサービス方式ラーメン会

 ※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2014年1月8日に掲載した記事の転載です。

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手回し式の古い製麺機を友人宅に持ち運んで、自家製麺の楽しさを知ってもらうための、セルフサービス方式ラーメン会を行った。

我が家には製麺機がなぜか二台ある

この記事で伝えたいことは、なにはともあれ製麺機の素晴らしさである。何度も聞き間違えられるが、洗面器ではない。製麺機だ。

製麺機というと、どうしても業務用の大きなものを想像すると思うが、私が所有しているのは、手回し式の家庭用製麺機だ。その名を小野式製麺機両刃型という。詳しくは知らないが、昭和の時代に活躍していたものと思われる。

要するにうどんやそばを作るための和風パスタマシーンだと思ってもらえばだいたいあっているが、その頑丈さは生産されてから何十年経ってもそのままだ。

麺を切る刃が2種類あって、細麺と太麺を両方作れるのがチャームポイントのかわいいやつなのである。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233101j:plain小型のミシンくらいの大きさです。

これを購入した顛末については、「俺の製麺機は力強いんだぜ!」という、どうかしているタイトルの記事に詳しく書かれているのだが、我が家にはこれと同じ製麺機がもう一台あったりする。

もうオリジナルは生産されていないものなので、ネットオークションに状態のいいものが手ごろな値段で出ていると、ついつい保護したくなってしまうのである。

そんな愛すべき製麺機を使って、ラーメンやうどんを年に数回作っている訳だが、2013年の忘年会として、友人宅の台所を借りて忘年ラーメン会をおこなうことにした。製麺機ごとの出前である。

なぜわざわざ友人宅への出前なのかというと、人を呼べる状態に自宅を掃除するのが大変だったからだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233125j:plain車に道具一式を積み込んで、ラーメンの出前に出発。

用意した道具と食材

今回の忘年ラーメン会にあたっては、友人から業務用の寸胴鍋を借り受け、三日前からスープの仕込みなどをはじめた本気モードで挑んでみた。参加人数は15人くらいだが、用意した麺生地とスープの量は約25人前。おかわり上等!

自分のためだけに製麺機を回す気にはなかなかならないが、人に製麺機の楽しさを伝えるためなら(自慢するためともいう)、重い腰もスッと上がるというものだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233146j:plainラーメンを茹でる鍋と、スープの入った鍋を持参してきた。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233205j:plain歯車がかっこいいと評判の、小野式製麺機両刃型。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233224j:plain鶏ガラなどをじっくりと煮込んだ、二度と再現のできないスープ(何を入れたかよく覚えていないから)。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233242j:plainこのスープの味を、まずは覚えてください。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233257j:plain生地は国産中力粉で作ったラーメン用(右)と、戯れにデュラムセモリナ粉で作ったパスタ用を持ってきた。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233316j:plainチャーシュー(煮豚)のタレが、ラーメンの醤油ダレになる合理的なシステム。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233339j:plainトロトロすぎて殻を剥くときに壊れ気味の味付けタマゴ。

このほかにネギとノリを具として用意してみた。

ベースとなるスープには、調味料を一切入れていないので、そこに各自が自分で食べる分を自己責任で味を付けするのが、セルフラーメンの醍醐味だ。

こちらで用意した調味料は、醤油ダレ(チャーシューの煮汁)、塩、胡椒、鰹節の粉、自家製ラー油、ナンプラーといったところ。これ以外に使いたいものがあれば、家主から許可をとって台所を家宅捜索してください。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233400j:plainスープに味はついていないので、DIYの精神で自分好みの味を見つける。

オリジナルラーメン作りのスタート

この日に集まったメンバーは、以前に一度、我が家でラーメン作りを体験している人が多かったのだが、みんなすっかり作り方を忘れていると思うので、とりあえず見本として自分の分を作ってみる。

生地やスープはすべて用意してあるので、ラーメン作りといっても難しいことはそんなにない。

食べたい量の生地(一握りくらい)を製麺機のローラーに何度か通して伸ばし、刃の部分で切れば麺はできる。硬めの生地を使い、すぐに麺を茹でるのであれば、打ち粉を使わなくても大丈夫。

同じ生地を使っても、ローラーを通す回数や太さ(厚み)によって、麺の個性が変わってくるのがおもしろいのである。

麺づくりのコツは、生地の量を少なめにすること。なぜなら、必ずあとでまた麺の太さやスープの味付けを変えて作りたくなるから、一杯目でお腹いっぱいになってはいけないのだ。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233422j:plainまずはローラーで生地を捏ね、伸ばす。ローラーを通した数だけ滑らかになるが、あまり通しすぎるとコシが弱くなる。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233436j:plain生地を切るところで、毎回どよめきが起きるのである。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233449j:plainほら、かっこいい。シュレッダーみたいとかいわない。

自分で製麺した麺を茹でている間に、丼にスープを適量入れて、各種調味料でお好みの味付けをしておく。

好きな硬さに茹であがった麺を丼に入れて、具を適当にちりばめたら、自家製麺セルフサービス方式ラーメンの出来上がりだ。ほら、超簡単。準備がまあまあ大変なんだけどね。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233506j:plainさあ写真を撮って!でも伸びちゃうから早くして!

f:id:tamaokiyutaka:20190310233523j:plain醤油ダレを少なめにして、塩を足してみた。久しぶりに食べるけど、やっぱり製麺機を買ってよかった。二台はいらないけど。

どうぞお好きに回してください

一度手本を見せたら、あとは製麺機をバトンにしたリレー方式で、順番に好きなラーメンを作ってもらう。

使用する材料は同じでも、予想以上にバラバラの仕上がりになっていくものなので、これをみんなで味見していくのが楽しいのだ。

私は醤油ダレしか用意しなかったが、家主の冷蔵庫にあった味噌とモヤシで味噌ラーメンを作るという発想がおもしろく、私も二杯目は真似させていただいた。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233549j:plain大人のおままごとという感じですかね。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233605j:plainあえて挑戦したという、うどんのような極太麺。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233622j:plain自家製ラー油をたっぷりと加えたピリカラもおいしかった。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233634j:plain個人的にヒットだった、味噌バターラーメン。コーンも用意すればよかった。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233650j:plainデュラムセモリナ粉で作った生地は、即席でペペロンチーノになった。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233805j:plain今度はソースを各自で持参してもらって、自家製パスタ会にしようかな。

f:id:tamaokiyutaka:20190310233826j:plain「こ、この味は…」

f:id:tamaokiyutaka:20190310233838j:plain「しょっぱい!(塩を入れすぎた)」

参加者の方から、「おもしろいところだけやらしてもらった」という声があったが、実は準備段階の生地作りやスープ作りも、製麺機を回すのと同じくらい面白く、奥が深かったりする。

本当は仕込みの段階から参加してもらいたいのだが、そうすると一泊二日とかになってしまうんだよね。

製麺機を持ち込むセルフサービス方式ラーメン会の出前は、まあこんな感じ。

やっぱり楽しかったので、今後も四半期に一回くらいは、製麺機をクルクルと回していきたいと思う。

正月休みに時間がちょっとあったので、うっかり製麺のブログを立ち上げてしまったので、ご興味ある方はチェックしてみてください。

www.seimen.club

 


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