昨年読んで、「おおお、すごくうらやましいけどマネできないやつだ!」って一番思った本が、高野秀行さんの「辺境メシ ヤバそうだから食べてみた」です。
ヤバそうだから食べてみるっていう思考回路がいいですね。実際に食べているものがまたヤバい。いやヤバいやつだけでなくうらやましいものも。いややっぱヤバいよな。
アフリカではゴリラとかラクダとかアリとか、南アジアではパキスタンの密造酒とか羊の金玉のたたきとか水牛のリンパ液とか、東南アジアでは昆虫調味料とかハッピーピザとかベトナム大ナマズとか超熟納豆とか、東アジアでは臭いエイのホンオ・フェとかヒルに似た食べ物とか、中東・ヨーロッパではイラン版すっぽんとか世界で一番臭い魚とか、南米ではピラルクの漁師飯とかカエル丸ごとジュースとか口噛み酒とか。
そして日本では唐突に猫の「ちゅーる」や生のカタツムリを食べてみたり。
ゲテモノとして変なものを食べる人はたくさんいるし、ある意味では手を付けることが簡単でキャッチーなジャンルなんですが、ちゃんと現地の食文化をしっかりと掴んで、先入観を超えた本音でその場の空気感と合わせて味を伝え、まるですぐ隣で見せてもらったのような読後感を与えてくれるリズム感の良い文章。最高。
高野さんを知ったのは恥ずかしながらクレイジージャーニーというテレビ番組で、そこから興味をもって本をモリモリと購入して、いっぱい読ませていただきました。
もっと若い頃に読んでいたら、私も海外志向に目覚めていたかも。いやどうだろう。
この本とか、すごいですよ。インドに怪魚を探しに行くのに、以前のっぴきならない理由で不法入国したために最後の最後まで……。
高野さんの本が好きすぎて、自分の本の帯を編集部経由でお願いしたことも。面識ないのにご快諾いただき、ありがとうございました。
この本です。
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