私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

自作の葛粉で作る「葛切り」がうまいけど賞味期限は5分以内

 

 

 

こんにちは。クズは好きですか。

葛の根を掘って、そこから葛粉を作った話を書きましたが、その葛粉で葛切りを作ったら美味しかったので覚書です。

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365日野草生活ののんさんが主宰するクズを掘る会と、葛粉を食べる会。今年は両方参加しました。ただクズの根の収穫量が少なかったので私は持ち帰らず、食べる会には昨年生成して冷蔵庫に入れっぱなしだった葛粉を持参です。

葛粉を食べる会2019

この会は各自が頑張って作ってきた、いろんなカラーの葛粉が集まっていて楽しいです。

トリュフ塩じゃないです。クズを掘った場所の土でもないです(そうともいいきれないけど)。ヨウ素液を掛けちゃった後でもないです。

「クズの中のカスが混じっている」という、意味深な粉なのです。

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純粋な葛粉は無味無臭の澱粉なので、白ければ旨いという訳でもないよなという学びがあります。

海水から作る塩と同じです。にがり成分のない純粋な塩化ナトリウムと、言ってしまえば不純物であるマグネシウムなどが豊富に含まれた塩だと、どっちに個性があるかという話と似ていますね。

白砂糖と黒砂糖(やブラウンシュガー)で味が違う砂糖もまた然り。

甲類焼酎と乙類(本格)焼酎とかね。

 

白(私の粉)と黒、クズ湯にして飲み比べました。

白い粉で作ったクズ湯は、オブラートが口の中で溶ける瞬間みたいな味。ほのかに甘みを感じます。

クズの澱粉以外の成分をたっぷりと残した黒いクズ湯は、葛を掘ったときの記憶が鮮明によみがえる味と香りがはっきりとします。澱粉の甘味を感じるゴボウの煮汁っぽい感じといえば伝わるかな。道路味という意見もありました。否定はしません。

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葛切りを作る

ということで、自分で持参した若干不純物が残っているけれど十分白い葛粉を使って、葛切りを作ってみます。葛餅は前に作ったからね。

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葛粉30グラムに水81グラム(葛粉の2.5~3倍が標準で今回は2.7倍)を加えて、よく混ぜます。

混ざるけど溶けないので、時間が経つと沈殿するので要注意。

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大きな鍋にお湯を沸かしておきます。

そしてステンレスのバット(鍋より小さいもの)を濡らして、そこに濾しながら葛粉水を流し込みます。野球のバットじゃないですよ。

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これをプライヤーなどで掴んで、大なべのお湯で湯煎します。

気持ち的には薄焼き卵を作っている感じです。

先に澱粉が固まって、不純物を含んだ水が固まらずに表面に残って焦りますが、しばらくしたら全体が固まってくれました。

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完全に火を通すため、このまま熱湯に突っ込みます。

澱粉が過熱によってアルファ化しちゃえば、もう溶けないので大丈夫。

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ちょっと茶色くなりましたね。

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これを取り出して、水に入れて冷やします。

水道からの流水を直接当てて冷やそうとすると、簡単にやぶれちゃうのでNGです。

溜めておいた水に全体を突っ込んで冷やします。

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これをペリペリと剥がす。程良い緊張感と官能的な肌触り。きゃー。

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ヌラヌラヌラ。

ヌーブラヤッホー。

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初めて作ったにしては、すごくきれいにできたのではないでしょうか。

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濡らしたまな板の上で切ります。

ニュオンという独特の切り味が楽しい。

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ツルツルニュルニュルプルプルでうまい。

葛餅に比べて水の割合が少なく、そして薄くて表面がツルツルなので、まるで別物という感じです。すごく高い和菓子だこれ。

そのままでも風味がダイレクトで美味しいですが、やっぱり黒蜜と黄粉でしょうか。

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ただし、本当に美味しいのは作って5分以内。

加熱によってアルファ化(糊化)した澱粉が、時間の経過によるベータ化(老化)で白濁してしまい、10分もするとトゥルトゥルだったのがモッソリとした舌触りになってしまいました。

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販売されている純粋な葛粉でも作ってみましたが、より透明感のある色になりますが、葛の根が持つ香りや甘さはちょっと薄くなるみたいです。なんていうのは手前味噌的な評価ですかね。

プライヤー落とした。

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市販の葛粉でもすごくおいしいので、また作ってみようかな。

でも高いんだよね。コーンスターチとかサツマイモ澱粉でもいいかしら。

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 わらび餅(葛餅)の作り方

余談ですが、わらび餅の作り方です。

 前にいろんな粉で作り比べた記事はこちら。

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今回はサツマイモ澱粉85%、葛粉10%、わらび粉5%のわらび餅粉で作っているのを見学しました。

5%でわらび餅粉って呼ぶのすごいな。

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葛餅とかわらび餅は、現在はほとんどの場合どちらも純粋な粉を使わないので、呼び方の違いだけのような気がします。

ぜんざいとおしるこみたいに、定義があいまいなやつ。澱粉を固めたプルプルしたものの概念としての名前。

割合は、粉100:水500:砂糖50。

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よく混ぜて練りながら加熱。

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バットに入れて冷やす。

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水に突っ込む。

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適当に切る。

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フルフルでおいしい。

やっぱり葛切りとは形と濃度が違って、別のものとしておいしいですね。

モッタリした冷たい感じがうまい。

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皆さんの持参された葛粉で作った純度100%の贅沢は葛餅は、ネッチネチの歯ごたえで澱粉以外の風味が濃厚で面白かったです。なんじゃこりゃ、ドングリ豆腐か。

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他にもいろいろな葛粉の料理がでました。

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今年でクズの集まりは3年目ですが、まだまだ発見はありますね。

来年は太いクズの根がたくさんある、掘っていい場所が見つかるといいのですが。

以上、「葛切りは五分以内に食べましょう」のコーナーでした。

 


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