私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

北海道のヒグマとエゾジカ、京都のカモがうまかった話:遊月亭

 

 

 

こんにちは、令和の夏。

今は令和なので、SNS的なもので、今日の仕入れ的なものを、告知している居酒屋が、ありますね。句読点多めに書いてみました。

それを眺めるのが好きなんですよ。自宅で見られる「本日のオススメ」、いいじゃないですか。こういうやつね。

 

でも自宅仕事の引きこもり体質なので、実際に店まで行くのは本当に稀で、今日は〇〇の魚が良さそうだねえとか、△△にホヤが入ったのかとか、フムフムと思うだけなんですが、これはちょっと無理してでも行った方がいいんじゃないかという告知が目に留まったんですよ。

その画像がこちら。

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ひゃっほう。

この店、魚と日本酒が美味しい居酒屋のはずだけど、なにがあったんだこのラインナップ。しばらく行かないうちに仕入れ先が漁師から猟師に。いつのまにやら地魚からジビエの店に。

詳しい事情は知らないけれど、たまたま北海道の猟師が2歳のヒグマを仕留めたらしく、こんな感じになったらしい。超短期の限定メニューだ。

本州のシカはたまにいただくし、ツキノワグマも数年前に食べたことがあるけれど、ヒグマは食べたことない気がする。

赤身のお肉ならぬ赤毛のお肉。

赤毛のアンならぬ赤毛のニク。

きゃー、アカカブトー!

 

これは行った方がいいのではと、「ヒグマ」というライングループをわざわざ作り、仕事の打ち合わせを兼ねて、友人2名を誘って店へ。

秋葉原と浅草橋の中間くらいにある遊月亭という店。

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さっそくカウンターでメニューを確認。

あるね、ヒグマ。

エゾジカだけに時価(ジカ)かと思いきや、ちゃんと値段が書いてあるね。

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3人なら食べたいものを全部いけるかなとニヤニヤしながら、とりあえず生ビニール、じゃなくて生ビールをいただく。

突き出しは、夏野菜の三杯酢的なもの。夏だ。

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いきなりステーキ(ヒグマの塩焼き)、的な注文でもいいけれど、もうちょっと心と胃袋の準備がしたい気持ちもある。

例の肉メニューには書かれていなかったけれど、京鴨の刺身がおすすめだそうで、まずはそれをいただくことに。

刺身といっても、低温調理や湯引きなどの熱処理がしてあるやつだ。

左からササミ、スナギモ、ハツ、レバー。

 

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これが最初からすごかった。鴨の内臓系、初めて食べたけれどうまいな。

同じ系統の旨味の上に、それぞれの歯ごたえや甘さが個性を奏でる的なやつだ。

「卵から京都で育った鴨どすから、カシワさんとはちょっと味の濃さが違うんどすえ。ビールだとせっかくの味が流されてしまいまへんか?」と、心の中に潜むニセ京都人が遠回しに日本酒を要求してくる。

なので日本酒を早くもいただいた。

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続いてはエゾジカのロースト。

前に北海道のエゾジカを扱っている業者の方から、ジビエの肉は冬のイメージだけど、エゾジカは夏こそがうまいという話を聞いたことがある。

へー、と思いつつ、なかなか食べる機会がなかったんだけど、これがそうか。

北海道の広い野山を走りまくりのエゾジカには余計な脂がなく、新芽をたっぷり食べているであろう肉に臭みは皆無。

赤身の肉がうまいのは、確かに夏なのかもしれない。

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柔らかいんだけど噛み応えがあって、旨味がじわーっとあふれてくるやつだ。

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ヒグマのレバーを塩焼きで。

万能薬の「熊の胆」は胆嚢だけど、これは肝臓。

ヒグマといっても2歳なので(何歳で成人なのかがよくわからないが)、まだ小さい個体とのこと。

焼かれるとヒグマだといわれなければわからないが、断面のエッヂの立ちっぷりから状態の良さが伝わってくる。

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うまい。すごいうまい。

ジビエというか珍獣を売りにする店だと、どれだけ普通じゃないか、どれほど癖があるかが自慢みたいなところがあるけれど、ちゃんとうまい。

スーパーで売っている豚よりも癖がないくらい。

悪い要素がゼロな上で、ヒグマの個性らしき味わいがにじみ出てくる。

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つづいてはシカのハツ。

心臓である。

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心臓上部の白い部分が多いところと、下の部分が別々に盛られていた。芸が細かい。

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これもまた柔らかいんだけど噛み心地がよく、うまいうまいうまい。

だめだ、語彙が足りない。ハツは豚でも鶏でも好きなんだけど、これは特にすごく好きな味。

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ちょっと優しいもので胃を休めようと湯葉で一息。

これもうまい。一気飲みしたい。

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そしてメイン的な存在であるヒグマの塩焼き。

赤毛の赤身だ。キャー。

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うまいのよこれも。

柔らかい。癖がない。うまみが濃い。鉄分多め。

ヒグマの標準的な味がわからないのだけど、すごくうまい。

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個体の育ち具合、猟師の処理、流通の状態、そして料理人の腕がちゃんとしていると、エゾジカとかヒグマってうまいんだなとよくわかる。

自分で焼くスタイルの店よりも、店主に焼いてもらった方がやっぱりうまいな。

 

おまけでいただいた京鴨の舌。たしかにタンだ。

中華で出てくる辛い味付けと違って、シンプルな塩味なので素材の味がよくわかる。楽しいな。ずっと噛んでいたい。

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日本酒の追加で、nWoでおなじみエリック・ビショフ(プロレスネタ)。

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お刺身の盛り合わせもいただいた。

キハダマグロ、ニジマス、チカメキントキ、ケンサキイカ。

ジビエからの一気に海の幸へ。味のふり幅がすごい。

チカメキントキの皮を鱗ごとあげたやつがうまかった。今度釣れたらやってみよう。あとキハダマグロ釣りたい。

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ということで、ごちそうさまでした。

 

2軒目の某アキバの酒場で飲んだ、和歌山県の車坂の二十年物常温熟成古酒の日本酒が、すっきりした紹興酒みたいでおもしろかった。これうまい。ヒグマと合わせたかった。

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どれも限定メニューで記事とかにしづらいけれど、ちょっと記録に残しておきたかったので、ブログを書いてみました。

ヒグマがあるうちにもう一回いこうかな。

 


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