私的標本

玉置標本によるブログです。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

意外に簡単!塩麹入門

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2010年2月22日に掲載した記事の転載です。

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ご自身が作ったおいしそうな家庭料理を紹介している「あぶかも」というブログで、「塩麹」という聞き慣れない調味料を使った料理が載っていたのだが、これがとても魅力的なのである。そのブログをやっているご本人(以下、あぶかもさん)と会う機会があったので、作り方を伺ってきた。

米麹に塩と水を入れるだけ

塩麹とは、その名前通りに塩と麹を混ぜて発酵させたもの。教えていただいた作り方によると、まず蓋つきの適当な入れ物に米麹1キロ、塩300グラム、そしてヒタヒタになるくらいの水を入れてよくかき混ぜる。材料がシンプルなので、どれもなるべくいいものを使うのが、おいしく作るコツだそうだ。

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米麹はあぶかもさんが池田屋醸造から取り寄せた米生麹をいただきました。

蓋をして日陰で常温保存し、毎日軽く混ぜて、麹が吸った分の水を足しながら、ヒタヒタの水位をキープ。

一週間くらいすると、ゴツゴツしていた米麹がお粥のようにとろけてきて、熟したバナナのような甘い香りがしてくる。なんとこれで塩麹作りは完了。カイワレ大根の栽培くらい簡単だ。

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なめてみるとまろやかな塩辛さのなかに旨みがたっぷり。これだけで酒が飲める。

あとはこのまま蓋をして冷蔵庫で保存。毎日かき混ぜたりしないでいいので、糠床に比べると全然手入れが楽だ。

漬けるのではなく、塗ったりまぶしたりする

こうしてあっさりとできあがった塩麹、使い方は糠漬けのように食材を漬けこむのだと思っていたら、使う分だけ取り出して、塗ったりまぶしたりするそうだ。

まず最初の塩麹料理は、釣ってきた魚を下処理し、塩麹を塗って3時間ほど寝かせ、軽く洗ってから一晩干してみた。塩麹の干物である。

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ヒメコダイとムシガレイというマニアックなラインナップ。

表面が乾くくらいに干したところで焼いてみると、まず香りが普通の干物と違ってふんわりと甘い。ちょっと甘酒っぽい感じ。

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本当は豪華にアマダイでやるつもりだったのだが、こういうときに限って釣れない。

食べてみると、ヒメコダイは骨が多くて干物に向いていない。いや、これは塩麹の問題ではなくて魚の都合なので置いておいて、もともとおいしい魚なのだが、その味わいの深さにびっくりした。結構な塩分のはずなのに、塩辛さの角がきれいに取れて、まろやかな味になっている。甘さすら感じる旨みの量だ。ただちょっとまだ漬かりが浅かったかなという感じ。

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ムシガレイも身の奥まで塩麹の味がまわっていて、ふっくらとした身は旨みたっぷり。

後日、今度はメバルを釣ってきたので、塩麹を塗って一晩じっくりと寝かせて、洗わずにキッチンペーパーで拭うだけにし、干さずにそのまま焼いてみた。

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身がしっかりした魚なので、干さなくても干物っぽくなった。

塩だけでつくった普通の干物も魚の旨みを上手に引き出すが、塩麹を使った場合、さらに米麹の旨みがプラスされる。

魚によってはその旨みが余計に感じるかもしれないが、白身の魚には甘みのある塩麹が合う気がする。

塩麹は干物はもちろん、塩や味噌の代わりとして、どんな料理に使ってもおいしいらしい。そこで思いついた料理をどんどんと作ってみることにした。

ヤリイカの塩麹漬

まずは刺身用のヤリイカと塩麹を和えて一晩おいてみた。塩辛のようにイカの内臓はいれていない。というか、このヤリイカは内臓がほとんど入っていなかった。

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ねっとりとして旨みたっぷり。

一口食べてみると、別に砂糖やみりんを入れたわけではないのだが、甘みがちょっと強すぎた。そこで軽く醤油をかけてみたところ、醤油のしょっぱさが、イカと麹の甘さに加わったことでバランスがよくなった。でもとろみといい、その味といい、生卵みたいなのはなんでだろう。

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ご飯にかけたら、まるっきり卵かけご飯の味がした。ヤリイカ+塩麹+醤油=生卵という不思議な味の方程式。

カブの塩麹漬

あぶかもさんの話だと、塩麹は以外なことに、野菜よりも肉や魚の方が合うという話だったが、試しにカブを漬けてみた。四つ割にしたカブにビニール袋に入れて塩麹をまぶし、冷蔵庫で数時間。

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カブの浅漬けってうまいよね。

やっぱり塩だけでつくった浅漬けに比べて、塩麹を使うと甘みと旨みが強くなる。おいしいけれど、化学調味料をかけたのかと間違えそうな味。これにちょっと醤油をかけたくらいが私の好みにはあっているかな。

豚タンの塩麹漬ホイル焼き

魚、野菜ときたので、この辺で肉料理にチャレンジ。ビニール袋に丸ごとの豚タンとスプーン三杯の塩麹を入れて、冷蔵庫でじっくり三日間漬けこんでみた。

一回り縮んだ豚タンをアルミホイルで包み、魚焼きグリルでじっくりと焼く。ビニール袋に残された塩麹と肉から出た水分は、フライパンで少し煮詰め、醤油と胡椒を加えてソースにした。

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豚タンは250円くらいで買えるのでうれしい。

これがなかなか獣臭いのだが、でもうまいのだ。そしてとっても柔らかい。もともと豚タンはちょっとだけ獣臭いけど、その漬け汁をソースにして獣臭さを強めることで、逆にうまくなるという塩麹マジックな料理法。

もちろん好みの別れる味ではあるが、私はこれがかなり好き。獣臭いのが嫌いな場合は、わさび醤油などでいただければきっとばっちり。

豚ロースの塩麹漬ステーキ

続いてはとんかつ用の豚ロース肉に塩麹を塗って4時間寝かせたものを、フライパンで焼いてみた。

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ソースはフライパンの肉汁にバターと醤油。

食べてみると、肉の柔らかさにびっくりした。100グラム98円の冷凍肉だったのだが、肉の隅々まで十分な旨みがいきわたっている。味噌漬けよりもすっきりとした味。どうせならもうちょっと漬け時間を長くしてもよかったかなという気もするので、後日再チャレンジしてみよう。

鶏モモ肉の塩麹漬百スキ焼き

最後は一晩塩麹に漬けた鶏モモ肉を、百円ショップなどで売っている小さいスキレット(鋳物のフライパン)、通称百スキで焼いてみる。脂は冷蔵庫にあった牛脂。牛の脂で鶏を焼くという変化球。仕上げに醤油をちょろりとたらす。もう何にでも醤油をたらす。醤油あっての塩麹。

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この焦げ目のついた皮がうまい。

たっぷり染み出た牛脂でじっくりと皮から焼いた塩麹漬の鶏モモ肉は、柔らかくとてもジューシー。もしかしたら塩麹の相性は鶏肉が一番いいのかもしれない。スキレットで焼くのでなく、から揚げにしたり、焼き鳥にしてもおもしろそうだ。

これら以外にも、あぶかもさんに教わった料理などいろいろと作ったのだが、きりがないので紹介はこの辺でストップ。

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アボカド、エビ、砂肝、キュウリ。さて合わなかったのはどれでしょうか?

メインで使う調味料というと、塩、醤油、味噌が多いのだが、これに塩麹が加わるだけで、料理の幅がぐんと広がった。

まだまだ使う量や漬ける時間、食材との相性を把握しきっていないのだが、塩麹はうまく使えると料理上手になった気分に浸れる、素敵な調味料である。

 

※2018年2月9日追記

塩麹は今でも作ってます。ヨーグルティアが圧倒的に便利だよ。 

 

 

 

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