2018年6月末 ヤマドリタケモドキを探しに行く
※この記事のキノコの名前等は素人同定なので、参考にしないでください。食べられるかどうかは、環境、時期、個人差にもよります。また素人によるキノコ狩りを薦めるものではありません。自分用の忘備録です。
キノコ狩りといえば秋のイメージだけど、夏にこそ収穫できるキノコというのもあるらしい。その代表格がヤマドリタケモドキというキノコで、なんでもその辺の公園や雑木林などにもポコポコと生える美味しいキノコとのこと。海外でいうところのポルチーニ(ヤマドリタケ)の仲間だとか。
ヤマドリタケモドキなので通称ヤマモさん。他にもアカヤマドリのアカヤマさん、ムラサキヤマドリタケのムラヤマさんがいて、日本のポルチーニ御三家と呼ばれているとか。
海外の食材に詳しくないので、「おお、あのポルチーニの仲間!」って驚けないのが寂しいところだが、うまいのならば採ってみたいじゃないですか。そこでキノコマニアの某宮さん、某Yさんにヤマドリタケモドキ狩りへと連れて行ってもらうことにした。
ヤマドリタケモドキはその辺の林に生えている
やってきたのは関東某所の某雑木林。別に山の中という訳ではなく、まさにその辺の散歩コースという感じ。こんな場所に食べられるキノコが生えているのか。
ヤマドリタケモドキを探すなら、シラカシ、コナラ、クヌギ、マテバシイなど、ドングリの生えている場所が狙い目。どうやらドングリ系なら常緑樹でも落葉樹でもいいらしい。なんだったらドングリじゃなくてもいいのかもしれない。それくらい身近な場所に発生するキノコらしいのだ。マジか。
宮さんは「あー、地面がカラッカラだわ。今年は雨が少ないから、ちょっと望みは薄いかなー」と言いつつも、探し出して数分で早速発見。はやいな。
わー、なにこのキノコっぽいキノコ。こんなキノコらしいキノコがが本当にその辺に生えているのか。
土が乾いているのでキノコも乾いているけれど、それでも魅力的なスタイルでかっこいい。虫がつきやすいキノコなので、傘が開く前くらいが食べ頃だとか。匂いをかがせていただくと、なんだかカブトムシのメスみたいな香りだった。軸のストッキングみたいな模様が特徴のひとつとのこと。
ナメクジの這った跡があるけどオッケー。
見つけた!と思ったら違った
うらやましー、俺も採りたーい。
どこだどこだと探していたら、あったー!
しかもナイスサイズじゃないですか!
宮:「んーーーー。ヤマドリタケモドキとは違う。ニセアシベニイグチかな。いやこれはアメリカウラベニイロガワリだな」
玉:「ほほう、アメリカシロヒトリみたいな?」
宮:「いや、外来種じゃないんだけどね。アメリカのキノコと同種だからということらしいです」
玉:「で、食べられます?」
宮:「どうかなー。人によるかも。俺は食べちゃうけど」
玉:「なるほどー。……じゃあ宮さんにパス」
傘の裏がアミメ状になっているイグチの仲間はいろいろあって、素人にはちょっとわからない世界のようだ。とりあえず今回はヤマドリタケモドキだけに集中しよう。
その後、傘が開いちゃっているけど、ヤマドリタケモドキを無事に発見。食べられるのかが微妙なとこだが。パスかなー。
それにしてもキノコ狩りの嬉しさって、まさに宝探しだね。しかも埋蔵金的な宝ではなく、ドラクエでいうところの小さなメダル的な嬉しさが積み重なっていくタイプ。いいわー。
いろんなキノコが生えていた
夏のキノコといえばタマゴタケも有名だが、残念ながらこの場所には全く生えないらしい。
って聞いていたけど、あった。なんか齧ったあとがあるけれど。
玉:「お、キタマゴタケもありましたよ!たしか食べられますよね!」
宮:「それはウスキテングタケだね。毒!!」
玉:「よくみれば傘にブツブツがありますね。っていうかわかんねー」
これはテングタケ。毒。
乾いているけど食べ頃のヤマモさんを発見!
手で掴んでみて、軸がしっかりしているかが収穫するかどうかのポイントで、パっとみて大丈夫そうでも、虫食いで軸がスカスカのものも多いそうだ。
うん、しっかりしてる。オッケー。
はい、テングタケ。
ちょっとタイミングを外したっぽい
この日は食べ頃のキノコもあったけれど、それ以上に育ちすぎて収穫できないキノコが目立った。
宮:「ちょっと遅かったなー。3日前だったら最高のタイミングだったんだけどなー。去年はもっと、ぶわっと生えていたんだけどなー」
玉:「いや十分っす、最高っす」
同じ(であると思われる)ヤマドリタケモドキでも、成長具合とか水分量で、全然形が違う。そもそもヤマドリタケモドキは細かく分類すると数種類に分かれるのではという研究もあるとか。
それでも実際に持ったり、肉眼で見ると、やっぱり伝わってくる情報というものがある訳で、なんとなく『この場所でヤマドリタケモドキと呼ばれていて食べられるやつ』がわかってきたりする。とか調子に乗ると間違えるんだけどさ。
たぶんヤマドリタケモドキ。
おそらくヤマドリタケモドキ。でも育ちすぎ。
小さいけどヤマドリタケモドキだと思われる。
雨が降った数日後に出逢いたかったヤマドリタケモドキの兄弟。
玉:「でた、これ食べちゃダメなやつでしょ。ウスキテングタケでしたっけ?タマゴタケモドキ?」
宮:「いや、これはキタマゴタケっぽいけど、どうかなー」
玉:「えーと、怖いからやめておきます」
これはヒポミケスキンとやらにやられたヤマドリタケモドキだそうです。
乾いているけど、ナイスヤマモ!
ヤマモ……じゃなくてテングタケ!
ヤマモらしいヤマモ!
軸もしっかりしてる!
これは食べ頃のヤマモさん!
これは食べ頃のヤマモモさん!
宮:「アメリカさんの幼菌があったよ」
宮:「アメリカウラベニイロガワリっていう名前だけに、触ったり傷つけたりすると青く変色するよ。」
玉:「そんなバナナ」
宮:「ほら」
玉:「ぎゃー!」
その後、場所を変えて芝生の広がるポイントへ。こんな場所にも生えるのか。なんだかヨーロッパ感が強い写真となった。
ヤマモさん withB(ブンブン)
ネイチャーテクニカラーのフィギュアみたいな幼菌。雨が降らないかなー。
キュンとする。
そんな感じで一回りしてくると、最初はまったくわからなかったヤマドリタケモドキとアメリカシロヒトリ、じゃなかったアメリカウラベニイロガワリの違いも、はっきりとわかるようになってくる。
こうしてみると全然違う。でも現場で単体でみるとわかんない。だからキノコは怖いよねー。
これは(たぶん)どっちもヤマドリタケモドキ。
ヤバいキノコも生えている
そんなこんなの帰り道、立派なキノコがポコポコペンと生えていた。
お、これは上等なヤマドリタケモドキ……ではない気がする。なんか違うよね。
この傘のベルベットっぽい感じ、違うような。でもシルエットは美味しそう。でも色味がなんかやばそうな。うーん。
宮:「これはダメなやつ。ニガイグチモドキか、キニガイグチか、オリーブニガイグチか、そんなやつ。キノコ狩りを始めた頃、こういうのを採っちゃって、パスタにしたらすっごい苦くて、一口食べて吐き出したよ」
玉:「あー、これは間違える。わかんねー、キノコわかんねー」
どれくらい苦いのかとちょっと先っぽを齧ってみたら、そりゃもう苦い。わー、苦い。なるほど、これは毒だ。
見た目はわかりにくいけど、味がわかりやすいから、毒キノコとしてはまだマシな方か。でもこれが一本でも混ざっちゃったら、全部その料理が食べられなくなるのよねー。やっぱりまだ一人でのキノコ狩りは怖いなー。
ヤマドリタケモドキを食べてみよう
ということで安心して食べられそうなやつだけ収穫してきたので早速試食。
やっぱり傘が閉じているもの、開いたばかりのものがいいみたい。エリンギ以上にミチっとしたキノコだね。
大丈夫そうに見えて、切ってみると虫食いというのも多々。
傘が開いたやつもいくつかとってきてみた。しっかり乾いているからか、古い管孔(傘の裏の部分)は張り付けられたスポンジみたいに手でもげたので、メリメリと剥がしてみましょうか。
食べられそうな場所だけにしてから、塩水で虫出し。順番が逆なような気もするが。
これをオリーブオイルで炒め、バターと少量の醤油と塩で味をつけて、パスタと和えて食べてみる。
大きく育ったものはザクザク、小さいものはシットリ。
そして傘はフニャっと、軸はザックリ。クセのない味で食べやすい。
初めて食べるので、この味をまだ理解しきれていないけれど、噂通りに美味しいキノコだ。硬い部分はもうちょっと小さく切った方がよかったか。
ついでにもう一品。炒めたキノコを牛乳とブレンドテック(アメリカンな強力ミサー)でギュイーン。
うお、濃い。うまいけど、まだ理解しきれない。
正しい塩分濃度がわからないし、もうひと手間で化けそうな予感。
とりあえず今回は味見ということで、次はもっと美味しく料理できそうな気がする。ということで、この夏中にもう一回くらいいってこようかな。
某宮さん、某Yさん、ありがとうございました。次は雨が降った数日後にでもいきましょう。
ちなみに近所の公園を何か所か探したけれど、全く見つかりませんでした。きのこ、わかんねー。
※この記事のキノコの名前等は素人同定なので、参考にしないでください。食べられるかどうかは、環境、時期、個人差にもよります。また素人によるキノコ狩りを薦めるものではありません。自分用の忘備録です。
そして続きです。
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