私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

アカヤマドリをとって食べる:アカヤマドリとチキンのクリーム煮、軸の天婦羅、軸焼き

 

 

 

はい、ヤマドリタケを採ってきましたよ!

採ってきた話はこちらから。

blog.hyouhon.com

アカヤマドリを下処理する

ということで食べてみます。アカヤマドリタケ、じゃなかったアカヤマドリを調理するのは確か初めて。いきなりこんな立派なやつとは幸せだ。

雨でぬれていたので、カサがペチャペチャしてペンキ塗りたてみたいになってますね。

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おおおー。

フカフカというかフワフワというか、なかなかの弾力。

このベッドで寝たい。

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某宮さん情報によると、傘と軸は別食感ということで、別に料理したほうがいいらしいので、さっそく切り分けてみましょう。

おお、ゴボウかこれ。

大丈夫かなー、とりあえず保留。

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そしてその断面を見ると、トビムシ的な小さい生命体がー。

きゃー。

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とりあえずペンキが塗られたヘルメットを水洗い。

水性ペンキなのか、ナデナデしていたらきれいになったよ。

人生で一番かもしれないくらい、なでて気持ち良かった。

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さあ、これを料理していきましょう。

まずはバッサリ二つ割り。

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おー、管孔がかなりやばい。

収穫するときにチラっと見てもらったら、ここがうまいっていう話だったけど。この断面はきびしいかなー。ナウシカだったら燃やしているよなー。

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水を吸ってネッチョリ。

これを君は食べられるかな。

試されているな。

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よくみたらキノコバエの幼虫さんが大量に……

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見ますか、アップ。

これが元気に動いてらっしゃる。

傘の開いたキノコには普通にいる生物なんで珍しくもないんですけどね。

こういうことするからブログの人気が上がらないんですけど。

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管孔に虫がいるのは内緒にしましょう。これを『かんこう令』と言います。

 

それにしても、うーん。無理。

食べられるかどうかの判断は、捕まえて食べる活動の根幹。

危ないと思ったらやめるのが大吉。

俺がルールだということで、管孔部分は削除してから塩水に漬けて虫出し。

虫出汁じゃないですよ。

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量がすごく減ってしまったけれど、やばい部位が混ざって全滅というのがよくあるので、トリミングはすごく大事よね。

こいつが濡れていなければきっと管孔も。やっぱりキノコ狩りは晴れた日に以下略……

 

 

 

アカヤマドリとチキンのクリーム煮を作る

この傘の調理法ですが、一緒にキノコ狩りをした某宮さんや某Yさんなどから聞き取り調査をしたところ、生クリームをドバーっと使ったクリーム煮がヤバいらしいと。

その作り方をなんとなくベースに、やってみようと思います。詳しく聞いたわけじゃないし、人によって順序とか違うので、こういうやりかたでやってみたよということで。

 

鶏モモ肉一枚を一口大に切って、塩、胡椒を振って馴染ませ、小麦粉を全体に纏わせて、薄く油を引いたフライパンで皮側から焼く。

できればヤマドリのモモ肉が使いたかった。

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ひっくり返して、鶏肉に火を9割くらい通しておく。

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ヤマドリタケの傘も一口大に。縮むのでちょっと大きめの一口大。

バイキング(ビュッフェ)に出てくる一口ケーキみたいでうまそうですね。

スポンジケーキにイチゴのムースみたいな。

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ケーキ大漁。

アカヤマドリもちょっと青く変色しますね。

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これを別のフライパンで、バターを使って焼きます。

鶏と一緒に焼くと、崩れちゃいそうなのでね。

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なかなかの量ですね。

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しばらくすると色が溶けだしてきて、ターメリックたっぷりで炒めたカレーソースみたいになってきた。なんだこれ。

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そしてだんだん縮んでいく。

悲しいけど、そのぶん汁がうまそうに。

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ここで白ワインを100ccほど投入。

なんとなくアルパカ。

白ワインの酸味が合うのだそうです。

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全体に混ぜたらそっと端に寄せて、焼いておいた鶏モモ肉を合流させる。

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別に端に寄せる必要はないんだけど、少しでもヤマドリタケをつぶしたくなくて。

そして下はキノコ狩りの帰り食べた吉野家の鶏肉がゴロゴロしているカレーです。ほら、そっくり。

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白ワインのアルコールが飛んでちょっと煮詰まったら、生クリームをドバーっと投入。

量は「二番目に小さいサイズを全部!」と宮さんに言われて、どれだよそれと思ったんだけど、たぶんこれという生クリームを200cc投入。乳脂肪分43%だ。

これだけで825kcalだーい。

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普段の料理で生クリームを使うことがまずないので、なんだかすごく緊張するな。

ドバー。

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また軽く煮詰めたら、たぶん完成でいいのでは。

そういえば味付けを全然していないので、ちょっと塩だけ振っておきましょう。

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ということで、仕上げにパセリを振ったら、『アカヤマドリとチキンのクリーム煮』の完成です。カボチャシチューみたいな黄色さだな。

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焼いたバケットに載せて食べてみると、生クリームの濃厚さとワインの酸味に、ウワっと来るほど力強いキノコのコクが加わっている。なんだこれ。俺の知らない世界の料理だ。なんというか、すごく高い味がする。料理に使った白ワインがいくらでも飲めるやつだ。

市販のルーで作るホワイトシチューに慣れた口に、この濃厚さはすごいカルチャーショックだ。宮さんは私を太らせて食べる気だろうか。おかしの家の魔女ならぬ、きのこの山の魔女?

アカヤマドリの傘部分はフカフカトロトロ系で、エリンギを滑らかにしたような感じで歯ごたえを残しつつもとろけていく。しっかりとした歯ごたえの鶏肉とのコントラストが楽しいね。

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このクリーム煮、すごくうまいけど、見た目の色以外にアカヤマドリのオリジナリティがどこにあるのかちょっと不明。すごいうまいんだけど。ほかのキノコだとどうなんだ。そのうちヤマドリタケモドキで作って比べてみようかな。

 

 

 

アカヤマドリの軸の天婦羅

続いては軸。せっかくなのでこっちも食べてみましょう。

外側はちょっとダメっぽいので、皮を剥くようにトリミングしておく。

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さらにフライドポテトサイズにカットして、塩水で虫出し。

やっぱりゴボウっぽいですね。

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フリッターがうまいという話なので、カリッカリのコロモで作ろうと思ったんだけど、家に薄力粉がなくて、てんぷら粉とビールでやってみます。

狙いはフィッシュアンドチップのフィッシュ的なやつ。

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衣を厚めにつける。

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170度の油で揚げる。

 

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てんぷら粉だと、やっぱりサクサクになっちゃうな。

もっとボッテリさせたかったんだけど。

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塩で食べてみると、あれだけ硬かった軸が柔らかくなっていて、そこからキノコエキスの水分がジュワーっと染み出てくる。どこにあったんだというくらいの水分。

美味いんだけど、やっぱりフワフワした天婦羅のコロモがフニャフニャの軸と合わない。衣に片栗粉を加えればよかったかな。

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あとちょっと傷んでいる部分は古くなった椎茸みたいな好ましくない味がして、やっぱりトリミングは大事だなと反省。

まずそうな部分はまずい。その判断ができるのが大事。

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アカヤマドリの軸焼きがうまい

さて軸はまだ残っている。揚げ物はもういいかな。

加熱すると水分がにじみ出てくることが判明したので、ならばシンプルに焼くだけの方がうまいのでは。

ということで、網焼きに。

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アルミホイルをかぶせて蓋にすると、早く焼けます。

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はい、できた。

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醤油を垂らしていただくと、歯ごたえとか水分とか、やたらと旨味の強いナスみたいになった。これ、好きだ。見た目もナスだけど。

あー、軸の正解はこれだ。シンプル最高。醤油のうまみ成分との相性がすごく良いかも。口の中に旨味がずっと残っている。あー、幸せ。

 

ということで、アカヤマドリという食材がどういうものか少しは理解できたかな。でも野生のキノコって状態によって全然違うので、都度また合う料理を作れればと思います。

ということでまたキノコを採りに行かないと。

 


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