ビリヤニ・マラバールの作り方を見学する会
大森にある「ケララの風モーニング(旧:ケララの風II)」で、店主の沼尻さん主催によるケララ州のビリヤニ・マラバールの作り方を見学する会に参加してきた。
インドには各地方に「ご当地ビリヤニ」とでもいうべき郷土色の強い料理があるそうだが、今回習うのは沼尻さんが参加した、ケララ州マラバール地方の結婚式で出されたというビリヤニだ。
ビリヤニは基本的に家庭料理ではなく、めでたい席やお祭りなどでよく食べる料理なのである。
レシピは沼尻さんが現地で習ったものを、自分が作りやすいようにとアレンジしたもの。以前に店で出していたビリヤニとも違うし、細かいことを言えば作るたび微妙に材料や手順が違ってくる。
細かいところは「ノープレブレム」で進めてOKだそうだ。それがインド料理。
あえてバスマティライスではなくチニグラ米で炊く
ビリヤニに使う米の種類だが、もちろん日本の米とは違う。
ビリヤニといえば細長いバスマティライスが有名だが、マラバールではカイマライスという日本米よりも小さな米で作るそうだ。ただ日本では手に入りづらいので、インド北東部のベンガル地方で採れるチニグラ米を使うそうだ。
左からチニグラ米、日本米、タイ米。なるほど、小さいね。
ビリヤニ・マラバールの材料
どれがなにかは料理の説明から推測してください。
本日作る量は、一般的な日本人なら10人前、ビリヤニが大好きなインド人なら5人前とのこと。
グレイビーを作る
まずはグレイビー(米を煮込むソース)を作るところから。
プレーンヨーグルトにレモンをぎゅっと絞り、ショウガとニンニクを加える。
協力なブレンダーのバイタミックスでギューン。
これを深めの鍋に入れて、火にかける。
そこにトマト、タマネギ、フライドオニオン、生のコリアンダー(パクチー)。
スパイスとしてカルダモン、クローブ、シナモン、コリアンダー(粉末)、ガラムマサラ。
そして塩を少々。
塩を入れるときは背中を反ると。ソルトだけに!
沼尻さんの会は、こういうオヤジギャクを学ぶ場でもあるのだ。
メインの具となる鶏肉を大量に。部位はモモや手羽など。
業務用の水道から出る熱いお湯(70度くらい)で洗って、臭みを抜いてから鍋に加える。
米を半茹でにする
お米は熱めのお湯で洗ってから(研がない)、そのまま30分ほど浸水させる。こうして米を温めておくことで、茹でた時に米のでんぷんから粘りを極力出さないようにする。
たっぷりのお湯を使うので、一般家庭の台所だと、真似がしづらいけどノープロブレム。
浸水させている間にグレイビーを煮込んで鶏肉に火を通す。
この時に蒸気をなるべくもらさないように、穴の開いている蓋だったら、箸などで栓をするといいそうだ。
浸水させた米をたっぷりの熱湯にザバーン。
吹きこぼれない程度の強火で米を泳がせて、だいたい4分間茹でる。
この時点ではあくまで半煮えにしておくのがポイント。
ざるで半茹でのお米を湯切り。
パラッパラ、そして半生。
ちなみに炊飯器でビリヤニを炊く場合でも、5~6割ほど茹でてから、早炊きモードで炊くといいそうだ。早炊き機能がなくてもノープレブレム。
手に入りやすいタイ米で作る場合は、米粒が大きいので、茹で時間を長くすること。
こうして半煮えにした米に、塩とギー(バターオイル)で軽く味をつける。
圧力鍋に層を作る
ここからグレイビーと米が合流するのだが、その前にキャベツの外側の葉をレンチン。
これは沼尻さんオリジナルの技で、これを鍋底に敷くことで、グレイビーの焦げ付きを防止するのだ。炊飯器で炊く場合でも使えるテクニック。
なんだか中華料理の点心で、蒸し器の下に白菜を敷くのに似ている技だ。
「キャベツだけどヴィーナスの誕生」だそうです。
ビリヤニを炊く鍋は圧力鍋を使用。
敷いたキャベツの上に、グレイビーを全部入れる。
ここからビリヤニらしく層にするのだが、この作り方ではグレイビーと米で層にするのではないのだ。
グレイビーの上に米を敷く。
その上にフライドオニオンをバサー。
また米。
ここでスパイスを追加。
カルダモン、クローブ、シナモン、ガラムマサラ。
さらに米を敷いて、ここでカシューナッツ、アーモンド、レーズン。
さらに米を敷いて、生のコリアンダーを入れる。
ミントも入れたいそうだが、本日は品切れのため無し。でもノープレブレムだ。
そしてまた米を敷き、その上からサフランとライムイエローの色粉で着色した水を掛けたら、ようやく層作りの終了である。
ビリヤニを炊く
これに蓋をして火にかけて、圧力の栓が上がってから2分ほど加熱。
そして4分ほどそのまま蒸らす。
はい、炊けました!
しゃもじでざっくりと混ぜる。
あまり混ぜすぎないのがコツ。
というわけで完成です。
ビリヤニ・マラバール、うまい!
トッピングはコリアンダー、フライドオニオン、色粉で着色した茹で卵。
付け合わせは、ライタ(生野菜入りのヨーグルト)、アチャール(漬物的なもの)。
さすが、パラッパラの炊きあがり。
米粒が小さいからか、パラパラではなくサラサラのほうが正しく伝わるかな。
ライタやアチャールで一口ごとに味を変えるのが楽しい。
ビリヤニは飲み物なんじゃないかというくらい、喉にスルスルと入っていく。
うまーい。
ちなみにこのビリヤニ、沼尻さんの店では出していないので悪しからず。
ということで、ありがとうございました!
※ちょっと買い物しませんか※
?