私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

サクラケムシ(モンクロシャチホコ)の捕り方を習ったので捕まえて食べる


 

 

 

サクラケムシ(モンクロシャチホコ)の捕り方

2020年の9月中旬某日、某ペンさんにサクラケムシことモンクロシャチホコの幼虫の探し方、捕り方を習ってきた。

そのちょっと前に蟲ソムリエこと佐伯さんと遊んだときにサクラケムシを採ったけど、まだ成長途中だったのか、肝心の桜の香り(クマリン臭)がしなかったので。

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ちなみに大前提として、私は毛虫や芋虫が苦手である。怖い。

昆虫食も「何でも食べてみよう!」というよりは、「地域に根付いた文化だったり、独特の個性を持っていたり、なんらかの可能性があるものなら体験してみよう」というスタンスだ。いや本当だってば。

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某ペンさんの案内で某桜並木へ。

これまでの人生であまり積極的に毛虫を探したことがないのだが、やっぱりコツがあるそうだ。

サクラケムシというだけあって桜の木にいるが、上を向いて本人を探すのではなく、下を向いてあるものを探す。

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そう、ウンコ。糞である。

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サクラケムシはある程度固まった数で存在するため、その下にはウンコが溜まるので、それを探すのが近道なのだ。

ただウンコならなんでもいいのではなく、新鮮なウンコでなければならない。

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このように地面が茶色くなっているのは、ウンコが踏まれたり雨で溶けたりした後。

この上には食われた葉っぱこそあれど、そこにサクラケムシはもういない。

鳥に食べられたのか、別の場所へ移動したのかは謎。

そこにケムシはいません。眠ってなんかいません。千の風に~

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新鮮なウンコを発見!

新鮮なウンコはコロコロしていた。

コロコロのウンコがたくさんあるところを見つければ、もう捕ったも同然である。

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はい、ばっちり。

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ここでようやく上をみる。

はい、いらっしゃいました。

ひー。

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手が届くところは素手で、高いところは網でそっと捕る。

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ひー。

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うへー。

ちなみに毛はあるけれど毒はないので、触っても大丈夫……らしい。

なので触る。

ひー。

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うぎょー。

今、久しぶりにサクラケムシの写真を見て鳥肌が立っている。

やっぱり苦手だ。よく触れたな、去年の俺。

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お腹に赤いラインがあってオシャレ。

 

サクラケムシは刺さないけれど、刺しそうな毛虫もいる。イラガ?

某ペンさんは素手で触っていたけれど。

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カマキリかっこいい。

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降りてくるサクラケムシもいた

この日(9月中旬の後半)はタイミング的にサクラケムシが地中で蛹になる直前だったらしく、木から降りてくる途中の方も見られた。もう降りちゃった個体も多かったかな。

鮎でいうところの落ち鮎なので「落ちサクラ」と呼びたい。風流。

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あー、怖かった。

殺虫剤が撒かれがち

このサクラケムシことモンクロシャチホコ、葉っぱを食べちゃうという問題こそあるのだが、人を刺したりはしない。

それでも桜大好きの日本人には害虫扱いされていて、殺虫剤で処分されることが多いようだ。この桜並木も数日後に殺虫剤の散布が計画されていてギリギリセーフ。

ただもうサクラケムシが木から降りだしているので、数日後の殺虫剤に意味があるのかは微妙。

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ということで無事終了。

3時間くらいウロウロして、サクラケムシがいっぱいいる場所は3か所くらいだった。

まず新鮮なウンコを探すという方法を知らなかったら、なかなか見つけられなかっただろう。知識は偉大だ。

 

帰宅して洗濯ネットに入れておいたのだが、チャックの部分が少し空いていたため、気がついたら部屋の中に数匹逃げ出していて、最高にエッヂの立った鳥肌を立たせることになる。ひーーーーー!

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サクラケムシを食べる

正直捕るパートでだいぶ満足してしまったので、食べるパートに心がついていかないのだが、せっかくなのでいただきます。食べ物(?)を無駄にしてはいけない。

改めて見て、ひー。

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とりあえず茹でる。

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毛がとれない。

そのままだ。

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ひー。

一発ほっぺたを強めに叩いて、しっかり気合を入れてから食べてみると、すごく爽やかな桜の香りがちゃんとする。そして意外と芋感がある。身がしっかり詰まっている。

なるほど、これがモンシロシャチホコの終齢幼虫なのか。ファンが多いのもわかる個性派昆虫だ。

 

素揚げはどうだろうと揚げてみたら、シュワーっと湯気が上がって軽く破裂。やべえ。

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塩を掛けて食べてみると、ブチャンという強い皮の感じの後に香る桜っぽさ。

あー。桜餅の葉っぱとか、桜の花の塩漬けとかの香りする。

桜の葉っぱをすりつぶしてイモムシというか芋とあわせたような食材。

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次は甘くしてみよう。見た目的にカリントウでどうだ。

砂糖と水を軽く煮詰めてカラメルを作り、揚げたサクラケムシを絡める。

カラメルを絡める。はい。

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桜の香りと厚みのある皮に、甘い砂糖のコーティングが甘さが合う。

見た目も目をつぶればカリントウに見えなくもない。

目をつぶれば見えるってなんだ。

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ウンコは糞茶にしてみよう。

これはサクラケムシ料理の定番らしい。

糞茶はカイコとかでもある食文化なので、別に変態の所業ではない。

洗濯ネットの中からウンコを拾い集める。なにをしているんだ私はとちょっと思うが。

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お湯200gに糞1gを煮る。

しばらくすると赤くなった。これはあの地面の色だな。

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茶こしで濾して飲んでみる。

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ほほう、爽やかな桜餅の香り。これはいいかも。

飲んでみると、紅茶やウーロン茶のような渋味があり、そしてローズティーにも華やかな負けない香り。なんだか体が温まってくる。

糞目当てにサクラケムシを探すというのも風流かもしれないね。昆虫茶道のブームがくるな。カリントウを添えたりしてね。

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最後はバター焼きに醤油でどうだ。

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わかりやすくうまい。

とある原住民が大事にしている食材をイケてる新鋭シェフがコラボで調理した最新の料理みたいな雰囲気がある。なんの食材と合わせるといいか、考えるのも楽しそうだ。

ということで、サクラケムシはお菓子にもオカズにもお茶にもなる素敵な食材だった。

でもやっぱり見た目に「ひー!」なので、自分で採って調理したからこそ食べてみようかなという食材かな。

年に一回くらい、季節を感じるために採りにいこうと思う。

 


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