尾ヒレを冷蔵庫で干しておいた。
このフグの皮には毒がある。
必然的にヒレにも毒がある。
乾いたヒレの数枚は、致死量にはほど遠い。
湯飲みへ注いだ純米の日本酒に、軽くあぶったヒレを３枚全部落とす。
ラップをして電子レンジで温める。
酒の表面をライターで燃やす。
一瞬青い炎が表面に広がった。
この行為になんの意味があるのかはわからないが、そういうものらしいから。
今までに、熱燗の日本酒を美味しいと思ったことはなかった。
これは味に深みがあって美味しい。
フグのエキスがおいしいのか、毒があると思うから美味しいのかは知らない。
風邪薬を多めに飲む程度の緩慢な自傷行為としての晩酌を楽しむ。
