「ありがとう」を受け取った
2019年4月30日、23時30分頃。小雨。
所用の帰りに夜中の24時まで営業しているスーパーへ寄った。ゴールデンウィーク中も通常通りに営業していてありがたい。たまには休めばいいのにと思うけど。
買ったのは缶ビール(風のお酒)6本セットとつまみを少々。具体的に言えば薄いレバーカツだ。
めっきりお酒に弱くなり、350mlのビール缶だと2本目を開けたくらいに酔いが回ってきて、途中で飲み残すのが最近の「晩酌あるある」だ。
なので500mlにしたのだが、2本目を開けて一口飲んだ瞬間に、「もういらない」ってなりそうな気がしている。適量がたぶん550mlくらいなのだろう。あるいは2本目を開けるという行為が好きなだけなのかもしれない。
そのスーパーは閉店まであと30分、平成の終わりもあと30分ということもあってか、客はほとんどいなかった。
レジをすませて店を出るときに、自転車に乗ってやってきた、赤いカッパの上下を着た、夜なのにサングラスをかけた、ちょっと恰幅の良いパーマのおばちゃんと目が合った。
その目をそらそうとする前に、おばちゃんから声を掛けられた。
「まだやってるー?」
「……(これはスーパーが閉店していないかという確認だな)……はい」
「ありがとう~」
いまだ会話というものに慣れていないので、スッと「どういたしまして」の言葉は口から出ず、軽く頭を下げてすれ違った。
これが平成最後の会話となった。
平成最後の「ありがとう」である。
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