某雑誌の某企画のサポートで、野生の大根であるハマダイコンを抜く機会がありました。うちの近所(埼玉)はカラシナばっかりで、ハマダイコンは生えていないんですよね。ハマダイコンは海岸性植物だからだろうか。
ここのハマダイコンは園芸品種の種が飛んできて繁殖したのではなく、先祖代々野生のものらしいと、同じくサポートで来ている365日野草生活さんが申しております。
三浦半島とかにいくと野良の大根が道端にありますけど、あれは畑からの脱走種なのかな。
ハマダイコンを抜く
まだ若いハマダイコンがもっさり。誰も間引きをしないので、密集して生えることが多く、なかなか太くはならないみたいです。
単体で生えているものは、それなりに太くもなっていました。
一万本に一本位。貴重!
カラシナと比べてみる
カラシナも混ざって生えていました。
ハマダイコンとは、葉っぱの形や雰囲気がちょっと違います。
左がカラシナ、右がハマダイコン。
それぞれこれで一枚の葉っぱ、そしてダイコンは羽状複葉だそうです。
ウジョーフクヨー、口に出して言いたい日本語ですね。墾田永年私財法みたいな。
カラシナは上の方が、繋がっていますね。
カラシナを抜いてみる
大きなカラシナがあったので、抜いてみましょうか。
カラシナの根って見たことがないかも。
まさかダイコンみたいに太かったりして。
おおお、意外と太い。やるな、カラシナ。
上がカラシナ、下がハマダイコン。
似ているといえば似ているし、違うといえば違う。
その差がわかるかどうかは、観察する側の解像度次第かもしれません。
ハマダイコンとカラシナの根を食べ比べる
せっかくなので食べ比べてみましょう。
まず根から。
これはハマダイコン。
輪切りにして食べてみると、ちょっと硬くて、結構辛いけど、ちゃんと大根です。
こちらはカラシナ。
輪切りにして食べてみると、なかなか硬くて、かなり辛いけど、見た目通りに大根っぽさもあります。
下ろしてみましょうか。
これは皮を剥いたハマダイコン。この時期はそこまで繊維質じゃないので、ちゃんと下ろせました。
カラシナも下ろします。ちょっと繊維が強いかな。
左がカラシナ、右がハマダイコン。
ハマダイコンは、水分が少なめ、かなり辛く、目が覚める味。
カラシナは、水分がかなり少なめ、すごく辛く、目が超覚める味。
穏やかな辛味ダイコンと、マニア向けの辛味大根という感じでした。
焼いた油揚げと食べました。とても美味しかったです。
葉っぱを南インド風に炒めて食べ比べる
若いハマダイコンも抜いてきました。
南インド風に食べてみましょう。
多めの油でマスタードシード(採取したカラシナの種)とクミンを炒めます。
刻んだ葉っぱをドーン。
「ココナッツファイン」という、ココナッツの実を細かくしたようなものを入れて、南国の風を吹かせましょう。
人生で初めて使いますが、すごくいいですよ。
買いましょう。「ココナッツファイン」です。
フタをして、蒸し焼きにしたら出来上がり。
料理名はよくわかりませんが、すごくおいしいです。
ちょっと青臭くて繊維感のあるハマダイコンとよくあう調理法だと思います。
同じようにカラシナの葉っぱも調理しました。
これはかなり大きく育ったやつですが、まだ硬いということもなく、おいしいですね。
ハマダイコンと比べて辛味と苦味があって大人の味。どっちもうまい。
キンピラにしてみる
若いハマダイコンの根と、大きなカラシナの根の先っぽ(繊維がすごくて下せなかった部分)で、キンピラも作ってみましょう。
胡麻油で炒めて、唐辛子、ゴマ、めんつゆ。
短く切ったのがハマダイコン、長く切ったのがカラシナ。
ぜんぜん期待してなかったんですが、これどちらもすごくうまいですね。
ダイコンの味がするゴボウみたいで、ザクザクの歯ごたえと野性味のある風味が好み。
これは食べる食物繊維だ。特にカラシナは部位と成長の問題で、これはちょっと繊維が強すぎるかな。長く切ると喉に詰まって死にかける場合があるので、ほどほどの長さがいいかもしれません。
カラシナの根は加熱すると辛味が飛ぶようで(味付けの問題かも)、あまり気にならなかったです。
※追記:辛くないのは液胞が破壊されていないので辛味成分が出ていないかららしいです。ワサビを細かく下ろすと辛くなる理屈ですね。辛くしたかったら麺棒などで殴るといいとか。
野生食材の中では、(近所に生えていれば)入手が簡単だし、下処理も洗うだけだし、かなり野菜に近いけど野趣もあるので、使い勝手の良い食材ですね。野菜を買った方が早いですが。
ハマダイコンは鞘もおいしいですよ。
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