佐渡島の小木にカフェがオープンするらしい
四月に佐渡島へ訪れたとき、友人から小木(カーフェリーが発着する佐渡南部の港町)にもうすぐカフェができるよという話を伺った。
え、小木にカフェ?
そこに連れて行ってもらうと、場所は港のすぐ目の前で、「その日のセリでお好みの食事」と書かれた看板が出迎えてくれた。
ええと、カフェ……?
どうやら看板は小木にある魚屋さんのものでまったく関係なく、その下の一階がカフェになるようだ。現在DIYで絶賛開店準備中とのこと。
こんにちは~と尋ねてみると、黒い三匹の犬が歓迎してくれた。
いやん。
お店の名前は「珈琲豆焙煎 KAFFA」。なんでも群馬県の赤城山に焙煎所があるのだが、この佐渡の地が気に入って、うっかりお店を作ってしまったらしい。群馬の山奥と佐渡の海っぺりを行ったり来たりの生活、素晴らしい。
翌日にまたいったら、佐渡の木こりさんが切った天然木を天板に、佐渡の竹を脚にしたテーブルを自作していた。自分で手が動かせるっていいな。
お店はまだできていないけれどコーヒーは出せるよということなので、カプチーノをいただいた。カプチーノってなんだっけなと思いつつ。
作るところを見せていただいたのだが、使い込まれた謎のかっこいい機械を直火で加熱して、何らかのレバーをギューッと押し下げて、華やかな香りと共にブシューっとカップに注がれた。
おおお、うまい。
私が山形の古民家で家庭用製麺機という機械で友人が麺を作るところをみたとき以来の衝撃である。
うっかりヤフオクで検索しそうになったが我慢する。欲しいけど絶対に使いこなせないやつなのだろう。でも欲しいな。いやここで飲むのが一番いいな。
オープン前のカフェでタコスパーティー
そしてその夜、できたてのテーブルを舞台にして、私が持ち込んだトルティーヤプレスを使った秘密のタコスパーティーが行われた。
ブラジルのトウモロコシ粉、佐渡の米粉と小麦粉を使ってトルティーヤを作り、佐渡の新鮮野菜に山菜、コウグリ(ウマヅラハギ)の肝や地ダコなどで具を作る、佐渡オリジナルのタコパである。
開店準備中で大忙しのところすみません。ちなみの同じく絶賛開店準備中のOrigineさん夫婦も来ていただいた。
オープン前のカフェで山菜の天婦羅と手作りうどんパーティー
翌日もコーヒーを飲みに伺った。やっぱりうまい。
この日は友人と山菜採りをしたので、山菜の天婦羅とKAFFAさんのホームである群馬県産小麦粉のうどん会でもやりましょうかという話になった。
開店準備中で大忙しのところ連日すみません。ちなみの同じく絶賛開店準備中のOrigineさん夫婦もまた来ていただいた。
ちなみに製麺機は佐渡某所に置いておいた私のもので、このままこの店に設置されることになった。コーヒーを作る機械と間違われないだろうか。まあいいか。
オープンしたKAFFAで、伊勢うどんと製麺ワークショップの会
そして7月、前回はまだ存在しなかった直江津・小木航路のカーフェリー「こがね丸」を使って、また佐渡島へとやってきた。
もちろん「珈琲豆焙煎 KAFFA」はオープンしていたが、あの看板はそのままだった。ずっとこのままなのだろうか。それもまた良し。そして製麺機もちゃんと置かれていた。
佐渡に来てすぐ、海を見ながら自家焙煎でハンドドリップなアイスコーヒーをいただく夏休みの始まり。もう最高の気分である。
前回うどんを作りながら、「今度佐渡に来るときは、この店で伊勢うどんを売りましょう。ついでに製麺ワークショップもやりましょう」と酔った勢いでお願いしたのだが、それがなんと実現したのだ。
ハローブックスで毎年やっていた製麺ワークショップ(今回は油そばで提供)はともかくとして、佐渡で伊勢うどんをわざわざ手作りして売るおもしろさ、その味とふやふや食感の独自性が伝わるかまったく謎だったのだが、意外と佐渡の人に受け入れてもらえたと思う。
伊勢うどんは前日に家庭用製麺機で手打ちした麺を、その日の朝に一時間茹でたのをお出ししたので、伊勢でよく食べられている茹でてから一晩以上寝かしたものに比べると、少し腰が残ったタイプになった。
これでも普通のうどんと比べればやわやわなのだが。もっと腰の抜けたやつを欲する三重県民もいたので、もし次回があったならば一晩寝かせたやわやわタイプも用意したい。次回あるのかね。
佐渡から帰る前に、もう一度コーヒーをいただいた。
次は赤城山で伊勢うどん会をやりましょうという話をした。
楽しみだ。
車でフェリーに乗り込もうとしたら、KAFFAさんとOrigineさんがお見送りをしてくれていた。
佐渡に好きな店と人が増えたので、秋にまた来ようかなという気になっている。
珈琲豆焙煎 KAFFA/HP/Instagram/Twitter
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