私的標本:捕まえて食べる

玉置標本によるブログ『私的標本』です。 捕まえて食べたり、お出かけをしたり、やらなくても困らない挑戦などの記録。

塩麹のように糠床で魚や肉を漬けよう

※『地球のココロ』というクローズしたサイトで、2012年1月24日に掲載した記事の転載です。

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糠漬けといえば、キュウリ、ニンジン、ダイコンなどの野菜を漬けるのが一般的だけど、塩麹のように肉や魚を漬けてもおいしいよ。

まずは糠味噌を用意してください

今回紹介するのは、ちょっと変わった糠床の活用法。日本の伝統文化である糠味噌、野菜だけ漬けるのではもったいない。家にある糠味噌を、同じく発酵食品である塩麹みたいにいろいろな食材と組み合わせることで、食卓の幅がドーンと広がりますよ。

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まずは普通の糠漬けの記事を書けよっていう話ですが。

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縦長のタッパーがマイ糠床。キクイモの糠漬けが最近のお気に入り。

この記事を読むにあたって、「糠床がそもそもないよ!」という人が多いと思いますが、そういう人は糠床を用意するところから始めてください。最近はすぐに使える糠床が売っています。

糠床、私も数年前に始めたのですが、やってみると思った以上に面倒ですよ! 何度かダメにもしています。でも楽しいですよ。

とかいって、本当に糠床を用意するのは大変なので、まずは知り合いで糠床を持っている人を探して、ちょっと糠味噌を分けてもらってきてください。後で詳しく説明しますが、糠味噌に漬けるのではなく、揉みこむ方法だと、少しの糠味噌で大丈夫です。

まずは『へしこ』もどきでも作ってみましょう

さて、どうにかして糠床を用意したら、そこに好きなものを突っ込みます。それこそ肉でも魚でもなんでもいいです。アイスクリームとかとろろ昆布はダメです。なぜって溶けるから。

まずは塩サバでも漬けてみましょうか。そう、北陸地方などで昔から愛されている、サバの糠漬け「へしこ」の簡易版です。

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大丈夫、別に悪いことはしていないはずだ。

作り方は簡単。塩サバを買ってきて、糠床に埋めて一日待つだけ。夏場は冷蔵庫内でどうぞ。漬ける時間は、どれくらいの糠臭さがお好みかで調整してください。

翌日、糠床からサバを掘り出し、よく洗って糠を落としたらグリルで焼いたら完成。糠がついていると、焦げてしまいます。

一日糠床に入れておくだけで、塩サバよりも味わいが深く、へしこよりもマイルドな、へしこ気味な塩サバが食べられます。

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糠の風味と酸味が、塩サバに合うのです。とりあえず酒が欲しくなるよ。

肉でも魚でもソーセージでも漬けてください

塩サバを漬けることで、糠床で野菜以外を漬けることへの罪悪感が薄れたら、あとは好きなものを突っ込もう。

たとえばソーセージにチクワ。

どちらも糠床から出てくるものとしては、見た目的にはクワガタムシの幼虫以上に違和感たっぷりだが、味は全然違和感なしだったりするのですよ。

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間違いだらけの間違い探しみたいな写真ですね。

これを翌日に糠を落としてフライパンで焼いてやれば、北国で育ったレモンみたいな酸味が加わった、ちょっと食べたことのない深い味わいのソーセージとチクワになる。

糠臭いというよりは、味の奥行きが見通せないくらい深くなる感じ。

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言われないと糠漬けだとは分からないと思うけれど、何かが違う不思議な味。

水分が多い場合は下ごしらえをします

塩サバやソーセージのように、水分が少ないものはそのまま糠漬けにできるけれど、生の肉や魚などのように、ちょっと水分があるものを漬ける場合は、ひと手間かけてあげましょう。

全体に軽く塩を振って、キッチンペーパーにくるんで一晩置いてから漬けると、余計な水分が抜けます。これで糠床が生臭くなったり、水っぽくなったりすることもないですよ。たぶん。

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糠に漬けずに、このまま焼いてもおいしいけどね。

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ブリの照り焼きならぬ、ブリの糠焼き。まさに大人の味です。

漬けこむのではなく、揉みこむ方法もあるよ

いくら水分を抜いたとしても、愛すべきマイ糠床に生臭モノを入れるのは許せない、でもちょっとやってみたいという人も多いはず。そんな人は、ビニール袋やタッパーに漬ける食材と多めの糠味噌を入れて、軽く揉みこんで冷蔵庫に一晩置くという方法もある。

一晩漬けるのが面倒だったら、揉みこんですぐに、あまり糠を洗い流さずに調理するという方法も。

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塩麹の使い方と一緒ですね。

これなら糠床本体のダメージはゼロだし、さっき書いた水分を出す手間を飛ばしても大丈夫。姑が大切にしている糠床に生肉を入れて、こっぴどく怒られて離婚問題になんていう、昼ドラみたいな展開にもならない。

エビのように小さいものを漬けるときも、行方不明になったエビが、2週間後に発掘されるなんていう、ありがちなヒューマンエラーもなくなるだろう。

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エビに糠味噌の酸味が染み込んで、謎だらけだけどおいしい味に。

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砂肝あたりも、間違いのないおいしさです。

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豚タンも柔らかく仕上がる。ちょっと臭みがあるくらいの肉が合うのです。

塩麹が主に『甘み』と『旨み』をプラスするのに対し、糠味噌は『臭味』と『酸味』が主な味の要素。材料は米麹と米糠なのでどちらも米だが、その風味はだいぶ違う。

もちろん塩麹漬けのほうが万人受けするおいしさなのだけれど、焼酎を好きな人がだんだんと臭いものを求めていくように、発酵食品や珍味が好きなら、糠味噌漬けにハマる人も多いと思います。

 

 

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